怖いことに出会ってしまいびっくりした状態を「胆が冷えた」といったりします。

 

この経験がトラウマになってしまって不安感が強くなってしまう方がいます。

店頭の相談で多いのは

・車の運転ができなくなり、一人で出かけられない

・高速道路や交通量の多い道路が運転できない

・トンネルが通過できない

・日差しの強いところがだめ

・トイレが近くにないと外に出れない

などの相談が過去にありました。

 

漢方的にはこれらは「胆」の状態が悪くなり、ここに「痰熱」というものができて、気、血、水という身体の中で循環していなくては行けないものの巡りが悪くなり、これによって心が乱されて不安になったり人によっては眠くなったりすることが起こります。

この「胆が冷えた」状態の人は手足が冷たいという症状やふくらはぎの横側だけ冷たく感じるといった症状とともに、夕方になると顔が熱くなるといった熱と冷えの症状が体の部分ごとで一緒に居座ることがあります。これは気、血、水が体の中をきれいに回っていないので熱気がまんべんなく身体を温めてくれないために起こる症状です。

 

このようなときには漢方薬では「二陳湯」(にちんとう)という処方が基本となっている処方を使います。よく使われるのは「温胆湯」(うんたんとう)でこの処方に色々とアレンジしたものを症状に合わせて使います。ここで気をつけなくてはいけないのが、保険で出される漢方薬の「竹筎温胆湯」ですが、これは「肝が冷えた」という状態には使えないのです。これはインフルエンザなどに罹ったあとの症状に使う処方ですから気をつけてください。

温胆湯に逍遙散や四逆散といった処方を組み合わせて服用してもらうと、体の中の巡りが回復して胆が冷えた状態が恢復していき、怖がっていたものや物事に対して開き直りとできるという自信が出てきたりします。

この処方はいくつかのメーカーから販売されていて漢方の専門の薬屋で手に入ります。また病院で出されているお薬と併用もできることがほとんどです。