年配の方で突然あるときに足腰の力が入らなくなるという症状を起こす方があります。
もちろん原因は様々ですが、中には整形などの診察でも原因がはっきりしないというケースで漢方薬がよく効いた例がいくつかありました。
漢方薬ではこのようなときに「肝気虚」という状態でおこしていると判断して治療します。肝気虚というのはめったに想定しない症状なのですが、年配者や運動不足の方に多く見られます。若い人でもあくびが多い当ケースにはこの肝気虚が関係していることが多く、筋肉のはりがわるい、運動をしても筋肉がなかなかついてくれないという方にこの肝気虚という体質の方がいます。
肝は筋肉の張りや力を入れることに関係があります。これは肝の疏泄(そせつ)という働きによるものなのですが、この働きをしっかりさせようとすると腎の働きが大切になってきます。歳を重ねていくとこの腎の働きが弱ってきて、これが肝にも影響して筋肉の働きが弱くなってしまいます。
また、手足は脾によって調節されていると漢方では考えていて、足腰に力が入らないという場合には身体の中ではいろいろな臓腑が関係しているのでこれをしっかりさせる漢方薬を使います。
代表的な処方としては黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)という処方を中心にして使います。この処方に腎気を持ち上げる薬を併用して上げることがよくあります。
また腎は肺と関係するので、肺気流れを一時的に強くする漢方薬を使うと症状が早く楽になります。
黄耆建中湯は処方箋漢方にもありますが、しっかりと飲もうとすると1日の服用量がかなり多くなってしまい、高齢者の方で併用薬のある方には負担になりやすいです。
薬屋で扱っているものですと服用量が適当で、十分に効果が期待できるので費用は少しかかりますがおすすめです。