季節の変わり目のなると相談時によく聞くのどのつまり感や違和感。
検査では異常はないといわれて漢方薬がよいからと処方されたという方も多いかもしれません。


この時によく処方されるのは⑯半夏厚朴湯。この処方はのどに「婦人で炙った肉片がへなりついたような感じを取る薬」として金匱要略に記載されている有名な処方です。

効果も早く数回から数日の服用でこの処方が合う人には効果が出てきます。特に不安感や胸に圧迫感のある方によく効きます。逆におなかに力の入らないような方には気分が悪くなることもあります。


この処方が効果がない方ももちろんあり、次のような処方を使ってみて様子を見ていきます。


苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

胃に水がポチャポチャとした感じがあり、立ちくらみを訴える方でのどに詰まり感があるという方に使います。これ単独でもいいですし、補中益気湯という処方と併用すると効果が高まる方もあります。低血圧気味で、午前中は苦手という方によく効き方が多いです。


甘麦大棗湯

ヒステリー症状に用いられる処方ですが、「ヒステリー球」というのがのどに詰まっている状態に使うとあります。この薬の方はスイッチが入るとよくしゃべる方が多く、おへそやみぞおちのあたりにドキドキを感じると訴える方もよくあります。


茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)

もともとは便秘の方の黄だん症状に用いられますが、山梔子の配合された処方はのどや食道のつまり感を改善したりするのでほかの処方と合わせて使うとのどのつまり感が取れる方があります。おおむね便秘がちです。また、以前に胆のうを手術して取ってしまったという方にも、ほかの処方が効かなくてこの処方で違和感が取れたという方もおられます。


開気丸(イスクラ産業)

気のつまり(ストレスによる)による胃腸症状に使う薬です。これ単独でもいいですし法衣のほかの処方と合わせて使うと効果が出ることが多い処方です。


曖気散(あいきさん)
もともとはゲップ(曖気といいます)の治療薬。旋覆花代赭石湯(せんぷくかたいしゃせきとう)という処方の変法です。のどの違和感だけでなく、みぞおちの張りやゲップの多い方に使う処方です。


これらの薬のどれかで大体はよくなると思います。