本家本元の魅力 レニングラード国立バレエ団「白鳥の湖」 | kenro-miniのブログ

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「白鳥の湖」は久しぶりに見た。今回は昨年10月に開館したばかりの兵庫県立芸術文化センターでしかも、前から2列目がとれた。やっぱりバレエは舞台のそばで見るのがいい。レニングラード国立バレエ団の長期日本公演のたった2日の関西での公演の1日目。もちろん振り付けはプティパ/イワノフ版である。
 あまりにも有名かつ幾度となく上演されているので筋立てはともかく、本作はやはりコール・ド・バレエの美しさが大きな魅力の一つだろう。それも昨年シュトゥットガルトバレエ団の公演と比べて感じたのだが、歴史の古いロシアのバレエ団であるからか団員も多かろうし、身長がそろっているのだ。もちろん日本人のそれより全体的に大柄ではあるだろうが、西洋のバレエ団はわりとコール・ド・バレエでも身長が不揃いで、そもそもその体格故もあって、時としてバラバラに見える。が、レニングラード国立バレエ団のそれはぴたっと揃って見えたのだ。そして、織りなす群舞も大きい白鳥、小さい白鳥と組み分けられ、実に優美そして形式美にあふれている。
 ジークリフト王子を演じたのはもちろん美形のドミトリー・シャドルーヒン、オデットおよびオディールは貫禄十分のオクサーナ・シェスタコワ。シャドルーヒンはこれはも北欧系の端正な容姿で王子役をするために生まれてきたような雰囲気を醸し出しているなら、シェスタコワは同団のほとんどの主要作品(「眠りの森の美女」のオーロラ姫、「ドン・キホーテ」の森の女王、「ラ・シルフィード」のシルフィードなど)の主役を張っているだけあってその表情、演技力は申し分ないし、シャドルーヒンよりずいぶん年上に見えるほど落ち着いている。そして、世界で一番有名、上演回数もおそらくトップの落ち着いた本作ではリフトがあまり見られないのがかえってよい。前述のシュトゥットガルトバレエ団の「ロミオとジュリエット」では情熱的な若い悲恋物語とはいえ(バレエは全部そうだって? かも)、少しリフトが過剰だと思えたからだ。たしかに派手なリフトの連発は時に嘆息もするが、コール・ド・バレエが魅力の「白鳥の湖」ではあまり大仰なリフトはパ・ド・ドゥでも似合わない気がするからだ。
 そして、本作で一番好きなのは第2幕、4羽の白鳥が手を携えて踊るパ・ド・カトル。頭と足しか動かせないのに、見事にそろった方向性、足さばきにはいつも驚嘆する。「白鳥の湖」をCDで聞いているといつもこの2幕目の軽快な旋律が楽しみで、あのクラシック・チュチュから出た8本の足が自在に動き回る様が目に浮かぶようでとても楽しい。脚線美とはこのパ・ド・カトルのためにある言葉のようにも思える。
 堪能した本公演であるが、基本的なのであろう4幕構成が、2幕目と3幕目が合体、4幕目の王子がオデットのために自死、悪魔のロットバルトも滅ぼされる3幕目として少し短い気がしたが、いろんな演出があるのであろう。これからの観察課題だ。