波照間で出会い、落陽をいっしょに見た喜多嶋舞からメールがあった。
いや、もちろん本物の喜多嶋舞ではない。喜多嶋舞似の売れないシンガーソングライターだ。
やはり僕の思ったとおりだ。
あの浜辺でいっしょに過ごした時間がどうでもいいなんてことがあるはずがない。どんな人間でもあの時間は人生の一ページになるはずだ。
メールにはあのすばらしい時間のことが書かれていた。私も救われた。
彼女は昨日、東京に戻ったらしい。
彼女からのメールを読む前に彼女のオフィシャルサイトを見た。
ダイアリーに旅のことが書かれていた。でも僕の痕跡はどこにもなかった。”彼女と過ごしたあの時間は幻だったのか?”と自分でも半信半疑になっていた。
しかし、彼女からのメールを見て救われた。さすがに皆が見ているオフィシャルサイトに僕とのことなんか書けないよなあ。納得そして安心。
今朝起きてから、頭痛がひどい。宿を移る予定だったが、トイレに行くのがやっとの状態だ。(まさか、くも網膜下出血じゃないだろうなあとかなり心配している)が、
彼女からのメールで少し回復が早まりそうである。
これから彼女と付き合うかどうかはわからないけど、あの時間が現実にあったことであり、彼女もしっかりとそれを認識しているということだけ分かり僕は満足である。
この旅行、僕の中で”旅”から”時代”に昇格した。”八重山旅行時代”である。