「福祉部」を構成する「人」、についての現実

 

上記のとおり、地方自治体の職員の人事異動に関する諸事情について触れた理由は、次に、その人事異動によって配属された、地方自治体の「福祉部」に勤務する「人」と、その長である「福祉部長」の、「経験」や「能力」というところに話に繋げていきたいと思っているからです。

 

本ブログでは、「新福祉部長さん」が、如何にして、「福祉部」という「組織」と、「人」とのマネジメントをしていけばよいのか、という話が、この後も順次続きますが、筆者は、その大前提にあるのが、地方公務員の人事異動の制度であると考えているのです。

 

ですから、そのために、まずは、どうしても、ここでは、その話をしなければならない、と思うのです。

 

少し、話の展開を変えましょう。

 

まず、皆様の想像力を働かせて、地方自治体における人事異動の内示の発表の当日の状況を、想像してみてください。

 

その日に、初めて人事異動の内示の内容を知らされることになる、地方自治体の職員の表情や心持ちは、毎年のことながら、まさに、「悲喜交々」です。

 

人事異動の内示の発表の直後は、さすがに、ざわついて、その後は、とても仕事にはならない状況となりますから、通常は、平日の午後、退庁時間の少し前くらいの、遅い時間帯に公表されることが多いようです。

 

しかし、地方公務員は、その翌日からは、個々各人の職員の想いは、一旦脇に置いておいて(切り替えて)、すぐにでも、新年度の人事体制に向けた準備に取り掛からなくてはなりません。

 

課長補佐クラス以上の、管理職は、各々職場での人員の配置や、各種の業務の担当を即座に決定しなければなりません。

 

人事異動は、課のレベルでは数名以上となることもありますし、その部署での業務経験が長い、ベテランの職員が移動してしまう、または、リーダー的存在であった「係長職」や「課長職」が移動してしまう、ということもありますので、その調整は、非常に大変であるとともに、急ピッチで進めなければなりません。

 

また、人事異動の対象となった職員は、4月1日までの限られた期間の中で、現在の仕事を後任者に引き継ぎ、また、新たに配属される部署においては、前任者からの引継ぎを受けます。

 

「福祉部」の各課の管理職は、人事異動により、新たに配属されることになった職員の「素質」、「特性」という情報を集め、また、課内の他の職員への配慮についても、十分に考慮した上で、課内の人の配置と業務の担当の割り当てを実施しなければなりません。

 

また、その場合、来年度以降に人事異動となる可能性が高い職員が、課内に「いるか、いないか」ということについても、管理職は、十分に考慮しておかなくてはなりません。

 

このことは、「福祉部」に限らず、地方自治体の庁内の各課においても同様に必要とされる、各課の管理職による「組織」と「人」のマネジメントにかかわることです。

 

そして、また、この人事異動前後が、最もその管理職の「人」に関する手腕が問われるタイミングでもあるのです。(人事異動の際の「望ましくない職員配置のマネジメント」については、本講の末のコラムで、少し紹介する予定です)

 

さて、4月になり、新たな「福祉部」の体制で、「福祉部長」となった、「新福祉部長さん」は、各課の「課長」らとともに、この後、「福祉部」という「組織」と、部内の職員という「人」のマネジメントに当たっていきます。

 

ですが、そこにも、また、「問題」が潜んでいるのです。

 

「福祉部」に、定期の人事異動で配属されてきた職員とは、どのような「人」たちなのか、という「問題」です。

 

 

「福祉部」にネガティブイメージを持つ職員を部内に抱えて…

 

人事異動において、新たに「福祉部」に配属された、「福祉部長」をはじめとする、「福祉部」の各課の職員等は、本当に待ち望んでいた人材であったのか・・・、という「問題」です。

 

地方自治体の「福祉部」という部署は、地域住民の「社会福祉」や「福祉」に関する業務を行う部署ではありますが、同じように「社会福祉」や「福祉」に関する業務を行う、民間の社会福祉法人や各種の福祉サービス事業所等という組織や機関の職員とは違い、自ら、その職場での業務に就くことを希望して、また、応募条件にある専門職種で働くことを希望して、現在の職や部署に就いている、というわけではありません。

 

第3講でも、少し述べましたが、地方自治体の職員にとっては、「福祉部」は、どちらかというと配属されたくない部署の一つであり、「福祉部」の各課で仕事がしたい、と率先して希望する者は、福祉に関連する資格を持っている「専門職」くらいではないかと思います。