本日、遅ればせながら『この世界の片隅に』を鑑賞して参りました。

アニメ映画の聖地でもある『テアトル新宿』は、平日のお昼にも関わらず

満員で、立ち見も20名ほどおられるほど盛況でした。

 

客層も幅広く、デートらしき大学生のカップルから、高齢者さんまで

本当にこれぞ老若男女!と言う具合。

 

 

内容については、ネタバレを慎みますので、私の感想など書きます。

 

鑑賞後は何か五感の全てが、鋭敏になったような不思議な感覚を持ちました。

 

きっと、主人公の、のんさん演じる『すずさん』に自分が入り込み、

彼女の目にした美しいものや悲惨な現実、彼女の聞いた海のせせらぎや

敵機からのすさまじい爆撃音、彼女の手に触れた人のぬくもり

呉の潮まじりの風の香りと焼けた家や防空壕のひどい匂い、

そして、彼女らのささやかだけど素朴な食卓から感じる味、

その全てを感じたい!と、心が望んだからに違いありません。

 

彼女と一緒に、あの時代を経験した、と思えるくらいのめり込みました。

 

と同時に、心のどうしようもない痛み、恐怖すら感じてしまいました。

今もその感覚は続いています。

 

でも、

すずさん、素晴らしい人です。

 

どこまでも普通だな、、なんてセリフがありますけど、

それはある意味正解ですけど、それだけではありません。

 

ここは映画を観て確認してください。

 

この映画は、戦争の悲惨さを伝えようとするあまり良く使われる表現の、

泣いたりわめいたり過度に騒いだりなどを、使いません。

 

その抑制感で、返って普通の日常や、大切な人を容赦なく奪ってしまう

戦争の残酷さを浮き彫りにすることに成功しています。

 

そして、珠玉のラブストーリーでもあります。

題名の意味が教えてくれます。

 

 

とにかく、今、観るべき映画です!

 

すぐに映画館へ!

 

 

(追記)

鑑賞後はポカンとして涙が出なかったのですが、今になって泣けて来ました。

『思い出し涙』なんて初めてです。