20数年~30年前の出来事。
旧友と、今夜のレストランを物色しながら、青山をブラブラ歩いていた時
ふと、目に付いた新規開店らしいレストランが。
そのまま、何も考えずに入店したところ、なかなか雰囲気のあるビストロ『C』
男同士にはオシャレ過ぎる、と思いながらお食事をしたところ、
これが『当たり』
素材も良く、塩分の具合も、火の通し方具合も、もろ私好み。
さっそく、シェフにお目にかかって名刺交換。
Tシェフに今後、ご贔屓にさせて頂く事を告げてその日は帰宅しました。
それから、約1年半、私の『C』通いが始まりました。
1週間に2度のペースで、1年半Tシェフの料理を食べ続けました。
そして、シェフを始め、お店のスタッフ、オーナーさんまで
凄いお友達になりました。
さぁ、そうなると、シェフも私のためだけにスペシャルな料理を
作ってくれるようになり、
その後、だんだん新メニューの実験的食べ手役にもなるようになりました。
彼が、新しいレシピを考えて、それをお皿にする。
私は、それを食べて、お客の立場から問題点や改善点を指摘する。
それを踏まえて、二人で別の有名店を食べ歩く。
これが、私の本業が、とても忙しくなって来た時期に
1年半続いたのです。
それだけ、長い期間を勉強に当てたものですから、
彼は作り手として、私は食べ手としての力量が飛躍的にアップ
したのを覚えています。
一緒に勉強、努力するのが、とても楽しかった。
しかし、そんな生活も突然終わりがきます。
彼に日本を代表するフレンチのグランメゾンから、
シェフのオファーがあり、彼はそちらに転身したからです。
その時は、私も彼の栄転に心から喜びました。
でもね、ビストロとグランメゾンでは、お値段が凄い違うのよ。
前みたいに、それこそ週2回なんて、まだまだ収入の少なかった作曲家なんで
とても行けません。
週1回、月2回、2月に一回と、だんだん足が遠のくようになりました。
もちろん、私が来店した時には、彼も、素材も何もかも前より良くなった
グレードアップした特別料理で歓待してくれたんですけどね。
そうこうしているうちに、そのメゾンを卒業し、
彼もオーナーシェフとなり、今、銀座の一等地で高級フレンチのお店を
出すようになりました。
また彼の料理が食べたい!
と、思うのですが、あんなに濃い食べ方をしたあの時代のあの感動には
きっと戻れないだろうし、
彼も彼で、昔の事を知り抜いている私に料理を出すのも、
少し手照れくさいだろうし、
なんて、色んな事を考え過ぎて、そのお店にも2~3度行った切り。
今の彼には、私は必要ないだろうし、立派に繁盛店を経営しているのだから
それはそれで善し!
上を目指し、未来を信じていた、まだまだ青臭かった二人の
青春の一コマの出来事でした。
旧友と、今夜のレストランを物色しながら、青山をブラブラ歩いていた時
ふと、目に付いた新規開店らしいレストランが。
そのまま、何も考えずに入店したところ、なかなか雰囲気のあるビストロ『C』
男同士にはオシャレ過ぎる、と思いながらお食事をしたところ、
これが『当たり』
素材も良く、塩分の具合も、火の通し方具合も、もろ私好み。
さっそく、シェフにお目にかかって名刺交換。
Tシェフに今後、ご贔屓にさせて頂く事を告げてその日は帰宅しました。
それから、約1年半、私の『C』通いが始まりました。
1週間に2度のペースで、1年半Tシェフの料理を食べ続けました。
そして、シェフを始め、お店のスタッフ、オーナーさんまで
凄いお友達になりました。
さぁ、そうなると、シェフも私のためだけにスペシャルな料理を
作ってくれるようになり、
その後、だんだん新メニューの実験的食べ手役にもなるようになりました。
彼が、新しいレシピを考えて、それをお皿にする。
私は、それを食べて、お客の立場から問題点や改善点を指摘する。
それを踏まえて、二人で別の有名店を食べ歩く。
これが、私の本業が、とても忙しくなって来た時期に
1年半続いたのです。
それだけ、長い期間を勉強に当てたものですから、
彼は作り手として、私は食べ手としての力量が飛躍的にアップ
したのを覚えています。
一緒に勉強、努力するのが、とても楽しかった。
しかし、そんな生活も突然終わりがきます。
彼に日本を代表するフレンチのグランメゾンから、
シェフのオファーがあり、彼はそちらに転身したからです。
その時は、私も彼の栄転に心から喜びました。
でもね、ビストロとグランメゾンでは、お値段が凄い違うのよ。
前みたいに、それこそ週2回なんて、まだまだ収入の少なかった作曲家なんで
とても行けません。
週1回、月2回、2月に一回と、だんだん足が遠のくようになりました。
もちろん、私が来店した時には、彼も、素材も何もかも前より良くなった
グレードアップした特別料理で歓待してくれたんですけどね。
そうこうしているうちに、そのメゾンを卒業し、
彼もオーナーシェフとなり、今、銀座の一等地で高級フレンチのお店を
出すようになりました。
また彼の料理が食べたい!
と、思うのですが、あんなに濃い食べ方をしたあの時代のあの感動には
きっと戻れないだろうし、
彼も彼で、昔の事を知り抜いている私に料理を出すのも、
少し手照れくさいだろうし、
なんて、色んな事を考え過ぎて、そのお店にも2~3度行った切り。
今の彼には、私は必要ないだろうし、立派に繁盛店を経営しているのだから
それはそれで善し!
上を目指し、未来を信じていた、まだまだ青臭かった二人の
青春の一コマの出来事でした。