フランスで私の身の上に起きたアクシデントについて書きます。


7月5日の第一回目のライブを終えて、次の日の6日は完全休日。
そして、明日7日は15時から第二回目のライブの予定。

私を除く他の全員は、朝9時から貸し切りバスに乗ってパリ市内観光に。

今滞在中のホテルは、パリ市内から少し離れた(車で40分)ドゴール空港の
近くにあるので、一人でパリに行くにはタクシーを呼んだり、
路線バスと電車を乗り継いで行くので、割に大変なロケーションでした。


私は、昨日の疲れが取れていなかったので、午前中はホテルでゆっくりして
午後遅めにパリにタクシーで向かって、夜の宴会に参加するつもりでした。


皆んなが出発した後の午前9時半、事件は起こりました!

朝シャワーを浴びようと思って、バスタブの中でシャワーを用意。
お湯の温度を確認したのですが、あんまりお湯の排水が良くない。

その時は、すでに眼鏡を外していて、あまり周囲が良く見えない状態で
バスタブの排水溝を調べようと思い、その中に右手人差し指を突っ込んだところ、、、

ザックリ!!と、指先を切りました。


気付いて、人差し指を視てみると(視るまでもなく)大量の出血です。

右手を上にしてみると、右手全部が自分の血で肌が見えなくなるほどの
凄い出血。

人間ってこんなに血が出るんだ、なんて少しボンヤリしてしまいました。


誰かを呼ぼう、とも思ったのですが、観光を楽しんでいるだろう皆んなに
余計な心配をかけるのも何だかなぁ、と思って、
一人で何とかするべ、、と。

傷の確認をしてみると、スパッと切れている状態。
広いけど深くない事が判明。

傷口を縫うか縫わないで済むかギリギリの感じ。
縫ってしまうと、明日のライブは当然中止となって、
せっかく楽しみに駆けつけてくれるファンのために申し訳なさ過ぎる。
今の状態で、何とか上手く治らないものか?

まずは、血止め。

ありったけのバンドエイドで、人差し指の根本をグルグルとキツく巻き、
左手で右手首辺りを強く抑えて、人差し指を立てて心臓より高い位置に
突き上げました。

その姿勢で約1時間半。


今回、浦沢直樹先生もお越しでしたけど、何か彼の『20世紀少年』の
『ともだち』のポーズみたいだな~。皮肉な偶然だな~
なんて、思いましたよ(笑)

本当にこれが中指でなくて良かった~(意味、分かりますよね)


ようやく、出血が止まりました。


この時間に私が感じた事があります。

去年のフィンランドとドイツのライブも成功したし、
昨日のライブも大成功。
まぁ、私は何処へ行っても大丈夫なんだなぁ~
なんて、自分がおごっていた事を、慢心していた事を
気付かすために、こんな事故を起こしてくれたんだな、と。


神様、なんて大げさな存在ではないでしょうけど、背後霊だったり
自分の潜在意識が、きっと”甘えるな””安心するな”って、、、。


その1時間半の間、ずっと反省していました。

確かにこのところ、歌手活動を始めた頃に比べて、努力も練習も
随分少なくなって来ていました。

そんな状態で、お客様の前に立つなんて、もっての他!


初心に戻る、って簡単に言いますけど、やはりちゃんと自制しないと
人間どこかで甘えが出るんだな~って。

これからもう一度勉強し直すぞ。

そう思っていたら、すぅ~っと心が軽くなって来て、
それと同時に血も止まってくれました。


明日のライブは中止しなくても良いかもしれない。

神様に感謝です。


それからしばらくは、血だらけになっているお風呂とシンクの大掃除。
このままだと、”すわっ!殺人事件?”
って、確実に思われるからね。

ようやく終わって、痛む指だったけどパリ市内に出かけました。
極力無理しないようにしましたけど。
(本当は安静なんだろうけどね、、、、これがまだ私の甘いところ)
夜は、痛んだけど少しだけ眠れました。


そして、第二回目のライブ。
人差し指をバンドエイドでグルグル巻きにして、何とか務めることが
出来ました。

お客様は、きっと気付いていないでしょう。
こんなトラブルのある指でピアノを弾いている事に。

実は、凄い痛かったし、演奏中に血がまた吹き出しかけました。

事故から一週間経った今でも、この記事を書くのに人差し指は痛くて
中指でキーボードをたたいているくらい。


で、この事を応援に来てくれていた畑亜貴先生に
『血染めのキーボードって凄くない?』
って言ったら、

畑先生が
『血を流して演奏する自分に酔ってるなんて、それってモロ、”中2病”』
だって。

すみません、、、、幼くて、、、



これからは、こんな事ないように気を付けます。

そして、毎日精進いたします。