前回の記事でダビデ像のお話を書いたのですが、
あれから良く考えてみて、『曲作りの極意』みたいなものが
おぼろげから、ハッキリと明確になって来ました。
それは、私の作曲のやり方によっていたのです。
つまり歌詞が先にある『詞先』の方法。
大理石の塊がその楽曲の漠然とした全体像だとします。
その中に隠れているダビデ像(その曲に一番適したメロディー)は
すべて歌詞の中にあったのです。
そう、歌詞が全ての設計図。
難しく書いてしまいましたけど、先に頂いた歌詞に
どのようなメロディーを乗せるのが一番良いか?
と言う簡単な事です。
アニソンに関して言えば、その作品の世界観、ポリシー、キャラクターなどの
ファクターを全て踏まえた上で、
その歌詞の導きによってダビデを探す。
どんなメロディーで、その歌詞が歌われたいのか?
を、探すと言っても良いかも。
自分の作曲家としての感覚、スキルを総動員して
その作業を行っていただけなのです。
だから、出来る時には一番最初にその歌詞を朗読しただけで
もうほとんど自分の中では曲の完成形が見えている、
と言っても過言ではありません。
やはり、最初の歌詞が素晴しいと、この作業がスムーズに行きます。
今回のコミケのCDの畑先生の『さくらがたり』なんか
もの凄い転調を繰り返し、かなり高度なテクニックを使っているのですが
この曲に関しては、一回歌詞を読んだ時に、
すでに自分の中では出来上がっていました。
良い曲が出来る時には、あまり時間がかからないのも
こう言う訳があるのです。
『ゲキテイ』も『ガオガイガー』も『キングゲイナー』も
見事にその世界観を一番ご存知の方々が作詞家さん。
上記の全てが『詞先』で制作されました。
私の作曲作業も、あまり悩まずに書いた事を覚えています。
どの程度の時間で書いたかは、いちいち覚えていませんけど
『ゲキテイ』だけは、とにかく短い作業時間でした。
前に30分で書いたと、言った事があったけど
きっともっと作業自体は短かったかも。
それくらい、あの歌詞を読んだ時にスラスラと
あの曲が出て来ました。
あとは、その曲が何かに似ていないか、を探す作業の方が
たくさんの時間を割いたような気がします。
しかし、あんなに短い時間で書いた曲が、その後私の代表曲と
言われるようになるなんて、皮肉なもんですね。
ともあれ、アニソンの主題歌は全てオーダーメイドが基本ですので、
この『詞先』は、そのオーダーメイドに応える
一番良いやり方だと思います。
こ今後も、ダビデ探しにはこの方法でやって行きたいと思います。
実は、最近にも良い曲が出来たのですが、、、、
それは内緒、、です。