前の記事のコメントに、ハルクインさんが興味深い問題提起を
していただいたので、私も少し考えてみたいと思います。


『アニメの主題歌におけるタイアップの定義とは?』

です。

この”アニメの主題歌”と言う箇所が一番肝心です。

なぜなら、他のジャンルの(たとえばTVドラマとか)タイアップに関しては
たとえそれが番組の内容にそぐわなくても、全然問題にならないからです。

アニメだけの問題なのです。

それだけアニメは、受け取り側の思いが強いと言う証明ですね。



さて、タイアップのもともとの意味とは、『提携、協力』です。

この言葉を普通に読むと、ハルクインさんも指摘されたように、
『そのアニメのために作られた曲でも、そうでない曲でも』
提携なんだから、タイアップはタイアップとしても問題ない事になります。


つまり、私の書いた『ウィーアー』もタイアップと言えばそうかもしれない。


でも、そこにはかなりの違和感があります。

タイアップと言う言葉は、アニメの世界に限ってはもう少し違った意味に
皆さんは理解されているに違いありません。


今までのタイアップと言う名の下で、そのアニメの主題歌として相応しくない曲が
どれほど採用されて来た事か。
だから、アニメファンにしてみれば、タイアップと言う言葉は
もう少しネガティブな印象をお持ちだと思います。



では、たとえアニソン歌手でなくても、そのアニメのために制作された曲を使った
タイアップに関しては、どうでしょうか?

それに関しては、皆さんは寛大だと思います。



しかし、これも、いくら”そのアニメのため”であろうと、
その曲の善し悪しは、主観でしかありえない。

作り手側の思いと、受け手側の思いが、あまりにも乖離していると
それはやはり”番組の顔”としての意味がない楽曲と言えます。


つまり、そのアニメの事を良く理解していない作り手の作品は、
やはりどこかに緩さと、違和感を感じる様な気がします。

そして、その作家の個性が強ければ強いほど、それは顕著になります。
(たとえば、桑田さんが主題歌歌ったら、やたらなアニメには合わないだろう)


でも、それでも少しでも『愛』を感じる事が出来れば、OKなんですけどね。




タイアップの作品で一番問題なのは、しばしばこう言う事があるからです。


#その歌手の方々が、そのアニメの主題歌に採用された事を誇りに思わず
 逆に隠そうとし

#将来に亘って歌い続けてくれない
 
#そして、早い時期に活動停止されたり、引退されたりして、
 生では聴けなくなってしまう事です。


たとえば、ワンピースに関しては

Folder5、Bon-Bon Blanco, Boy Style


なんて方々の歌声は二度と聴けないかもしれない。

その点、アニソン歌手の方々は、実に息が長い。

『ウィーアー』がこのところ全世界でブレイクしているのは、
きただに君がずっと歌い続けてくれたからに他ならない。


これも、『アニソン愛』のなせる技とでも言いましょうか。



全然、『定義』らしくなっていないですね。


逆に言うと『定義』なんてしないでも良いのかもしれない。

タイアップであろうとなかろうと、
聴き手側が作り手側の『愛』を感じれれば、それでOKなんでしょう。


そして、その『愛』を持っている人々は、ずっとアニソンに関わっている人が多い。

だから、商売だけを狙った『愛』のないあからさまなタイアップを許す事が出来ない。

と言う事に結論しておきます。