ライブも無事終了。
『グラビティーデイズ』も『氷菓』も、あと秘密のお仕事も
2~3ありましたけど、だいたい目処も付いて一段落付きました。
私のお仕事のやり方は、直前になってジタバタするのが嫌いなので
大体、締め切りの前1~2週間前に終わらせるようにします。
そうすれば、どうしても納得いかない曲など、もう一度推敲して
書き直す時間もありますし、
BGMで言えば何10曲もあっても、足りないシーンの曲が出て来たりした際に
追加で書き足す事も出来ます。
実際、今回の前記の2作品については、
音楽メニューにないものを、こちらの判断で追加で作曲しました。
クライアント側の立場に立つと、こう言う行為は非常に有り難いはずなので、
無駄になるかもしれないけど、こんな『サービス残業』を勝手にやっています。
これも、時間的余裕があるからこそ!です。
こう言う仕事のやり方だったからこそ、この業界で長く続けられて来たのかもしれない。
作家さんの中には、先に遊んで、締め切り間近になって慌てて作業する人がいますけど
そんなやり方では、何かいけないように思います。
アニソンを始めとする楽曲は、これから何年も歌い継がれて行く事も
考えられますし、
BGMだって世界中の人々に、何年にも亘って愛される事もあるかもしれない。
それに対して、一夜漬けで作ったものが世界的レベルに達する事など
どんな天才でも無理と言うものです。
ましてや、我々のような天才でない人間は、
その何倍も努力して、推敲に推敲を重ねて、ようやく作品を世の中に出せる
ようになるはずなんです。
今まで、このようなやり方が許される甘~い業界だった事もありますが、
全世界が相手なら、そんな甘っちょろい姿勢では生き残れないと思います。
前にも書きましたが
神様なんて絶対に降りて来ません。
もし、そう感じたら、それはどこかで聴いた事のある曲を
自分の中で脳内変換しただけにすぎない事が大半。
知らないうちに結果的にパクリになる事にもなりかねない。
でも、死ぬほど努力して、考えに考えた結果、出て来た搾りかすのような物に
キラリと光る時があります。
神様がおられるとしたなら、そんな人間の努力に対して
ほんの少しだけ『ヒント』をくれる事がある、その程度のものです。
アーティスト、
この言葉の意味が、この頃随分軽くなったような気がしますね。
それは、ともあれ
今少し落ち着いた状態ですけど、またこれから地獄のような
作曲生活が待っているのも事実。
つかの間の余裕を、少しだけ楽しむ事にします。