サクラ大戦紐育組ライブショウにご来場くださいまして
誠にありがとうございました。
皆様のお陰で、事故もなく、楽しい舞台をお届けする事が出来ました。
今回の公演では、稽古、本番を通して語りたいエピソードが一杯あるのですが
その中でも私とラチェットこと、久野綾希子さんとの反省会、勉強会は
非常に印象に残っています。
反省会とか書いてますが、実際には『夢よ』と『人は誰も、、』に関する
歌い方の方法論について、主に楽屋の廊下で意見交換をしたに過ぎないのですが
この内容が濃かったので、反省会と書いてみました。
その曲を歌い終わるたびに、二人で
『あそこは次はこうして歌ったら?』とか『ブレスをここまで我慢して』とか
『気持ちをこう言う風に持って行ったら?』とか
『最後の伸ばしのタイミングと、ファルセットの使う箇所の設定』とか
色々です。
あれほど実績があって、歌の上手い方でも、今回の私の曲は難敵らしく
本当に苦労されていました。
普通に少し聴いたくらいでは分からない瑕疵でも、彼女にとっては
許せない事も多く、私も彼女だけには他の人とは違う高いハードルを
設定させていただいていたので、かなり辛辣にダメ出しさせていただきました。
あまり、上手く行かなかった時には
久野さん曰く
『先生に目も合わせてもらえなかった』
らしく、『夢よ』の歌唱後、自分が許せなくてうなだれて返って来られる姿を
目撃すると、なかなかその場で意見を言うのは勇気がいるから
そんな行動になってしまったのかも?
大変、失礼しました。
しかし、こんな事を言い合うのもお互い楽しくて、彼女の向上心には
感服させられました。
打ち上げでお話したのですが、
打ち上げの最中に他のキャストから語られる久野さんは
『大女優』とか『恐れ多い』とかばかりです。
しかし、本人にとっては、そんな風に棚上げされて誰も本当の意見を言ってくれない
耳障りの良い事ばかり、会う人会う人に言われる。
いわば『裸の王様』になる事が耐えられない。
『いくらベテランでも、新人さんと同じ土俵の競走』なんだから、
意見、ダメ出し、大いに結構なのに、この頃誰も言ってくれなくて
凄く淋しいのだそうです。
私もこの所、同じような感覚があります。
そんな『ホメ殺し』に対抗するのには(これも意見が一致したのですが)
他の誰よりも自分が自分自信に厳しく
接する事が一番大事ではないか?と。
ですので、今回の私の失礼なダメ出しは、彼女にとっては嬉しい事だったらしくて
(私にとっても勉強になった)
打ち上げの席上で感謝されました。
いやいや、こちらこそありがとうございました。
ホントッ!失礼なヤツでごめんなさい。
彼女曰く、『夢よは、まだ初日が出ていない』ので
絶対にリベンジしたいのだそうです。
そして、あの曲は彼女にとって
『永遠の課題曲』に
なったと、おっしゃっておられました(恐縮です、、、)
また、こんな楽しい日々があると良いのに、、、、
打ち上げ帰りの肌寒い渋谷の街を歩きながら、強く思いました。