私は共産主義者でも、何でもありませんが、
私の好きな毛沢東の言葉にこんなものがあります。
『若者は無名で失うものがなく、そのエネルギーは山をも砕く。
だから、未来は若者のものだ!』と。

若者は最初は必ず無名で、何のしがらみもなく、自由に自分の信念を
貫く事ができます。

だから、そのパワーは世界も未来も変えてしまうほど尊いものだ!
と言う意味です。

つまり、若者は無名の方が、自分に忠実に生きられるのです。

人間長く生きていると、肩書きやプライド、しがらみや義理
金や生活など、と言うものに縛られて行きます。

ちょうど、長い航海をした船に”牡蠣殻”がへばりついて
取れないように、とてもつまらない、でも逃げられない物体のために
どんどん身動きが取れなくなって来ます。

そんなのも、ポイッと捨てれば良いのですが、なかなか簡単には
行かないようです。

私は何年か前にこれに気付いてから、極力こんな”牡蠣殻”を
付けないように生きて来たつもりですが、
知らず知らずのうちに、慢心したりしてしまう事もありました。
「先生、先生」と呼ばれているうちに...

そのたびに、反省をして、思い上がっている自分を戒めて
何とかここまで来ました。

でも、振り返ってみると私の人生で一番面白かったのは、
未来がどうなるか分からない若者の時代でした。

そう!まさしく無名時代。

明日をも知れない身分。未来が見えない恐怖。
でも、希望だけは持ち続ける勇気。
そんなものが相まって、混沌とした毎日の葛藤の中で
暮らしていたあの時代です。

全て自分の身の上に起こる出来事が、今現在、感じる何倍もの
大きさで敏感に感じ、思うように発揮出来ない自分の
パワーを持て余しながら、孤独に耐えた若者時代です。


あの時、真夜中まで、一人泣きながら考えた「芸術とは?」
「失恋」「未来への不安」
そして「死への恐怖」などが、今の私を作ってくれています。

凄く、センシティブでしたね。今に比べて。

昔のCMソングに
「ソ、ソ、ソクラテスもプラトンも、みんな悩んで大きくなった!」
と言うのがありましたが、
どんな巨人、巨匠でも、必ず若者時代は悩んでいました。

そして、その悩んだ数、深さの度合いが大きければ大きいほど、
未来へのパワーが出るのです。


あなたが、若者ならとことん悩んでください。

それが、あなたの未来を開く鍵になりますよ。


私は今だに青臭く、悩んでいます。

気持ちだけは若者のつもりだからです。(笑)