さて、ストリングス、いわゆる弦楽器には、バイオリン、
ヴィオラ、チェロ、コントラバスと4種類あります。

バイオリンは一番人が多い楽器ですが、早くから始めるために、
親が習わせる場合がほとんどです。

その他の楽器は、ある程度身体が大きくなってから習う方が
好ましいので、いきなりその楽器を習うより、バイオリンや
他の楽器からの転向組が多い気がします。

ただ、チェロにはバイオリンと同じように小さい子供用で、4分の1
や、2分の1のサイズの楽器がありますので、指が小さくても
始める事は可能です。

そう言う理由で、ヴィオラとコントラバスは、ある程度の年齢に
なってから、その楽器を自分で選ばれたことが多いです。

ヴィオラはバイオリンより音が太く、主に内声を担当します。
でしゃばらず、ふくよかな音を出す、控えめな方が多いと
思います。

コントラバスは、低音楽器の少ないオーケストラの中で、
チューバとともに重要な楽器です。
ここの音程が悪いと、オケのバランスが一気に崩れます。

それだけでも負担は大きいのに、私のようにひどい作曲家は
根音の伸ばしだけでは飽き足らず、無茶苦茶音符の量を書きます。

だって、チカラ強くて素敵なんだもん。

すみません、いつも反省してます。
でも、また書きます。

この弦楽器というやつは、音程を取るのが凄く大変です。
なにしろ、ギターなどと違って、音程の目安のフレットが
ないのですから、音程を決めるのは長年の経験と感覚でしか
ありません。
ポジションと言うものがあるよ、と言われても、(私も副科で
習った事がある)本当に正確な音程を取るのは難しいです。

そんな訳で、バイオリニストの方々は、小さい頃から
「音程。お ん て い !」と言われ続け、それがトラウマに
なっている人が多いので、私もレコーディングの時は極力
音程、とは言わないようにしています。
それを言う際には、違う言葉で置き換えて言ったりします。

「ちょっと響きが良くないですね」とか「ハーモニーをもう少し
美しく」とかです。

そして、ちゃんとした自分の音を出すためには、子供の頃から
猛練習する必要があります。
私の尊敬する酒飲みのバイオリニスト、篠崎マサさんも、
子供の頃親から(何しろ有名な親御さんだからね)猛練習を
強いられたそうです。

ある時、知恵のついたマサちゃんは、練習をサボるために、
自分の練習している演奏を、テープレコーダーに録音して、
流した事があったそうな。

離れた部屋にいる親の耳を誤摩化すには、十分と思ったよう
でしたが、すぐにバレたそうです。

それは、”いつも同じ場所で間違える”でした。

耳の良い親は騙せませんねえ。


私の仕事をしてくれているスタジオミュージシャンの方々は
もう、本当に凄いテクニックをお持ちです。

何を書いても、スラスラと演奏されると、驚きを通り越して
尊敬してしまいます。

訓練されたと言え、良くあんな美しい音がでるなあ、ってね。


そして、ストリングスの方はソロだけではなく、アンサンブルの
能力に優れています。

オーケストラや何かで鍛えられているからですね。

これは、人の音を良く聴き、自分の音とコミュニケーション
する能力です。

でも、何で人の話しを聞く能力はないんだろう?(ボソッ)
誰とは言いませんよ、誰とは。