芸大ネタを、もうひとつ。

一昨年の10月、なぜか懐かしくなって、小学生の息子を連れて、
秋の芸大祭に行った時の事です。

展示を見たり演奏を聴いた帰りに、作曲科の学生が出している
模擬店に立ち寄りました。

「私も君たちの先輩なんだよ」と言うと、一人の学生が気付き
「ひょっとして、田中公平さん?」
私 「はい」

「ひえ~ビックリしたあ!」
と言うやいなや、4,5人の同級生を呼びに行って、走って戻って
来ました。

その中の一人に私の大ファンがいて、(なんでも私に憧れて芸大
作曲科に入ったそうな。憧れるやつを間違えとる!)
その学生の音頭で、その場で路上 ”ゲキテイ”の大合唱が
始まりました。

恥ずかしいやら、驚いたのやらで、早々にお礼を言ってから
その場を離れましたが、芸大も変わりましたね。

昔は大衆音楽になど眼を向ける学生など、全くの少数派でした。
あの坂本龍一さんですら、芸大では白い眼で見られていました。

私なんかゴミ扱いでしたよ。

それが月日が経ち、こんな事になろうとは。
世も末なのか、素晴しい変化なのか、どちらとも言い難いですね。

ただ、我々のやって来た音楽が、少しづつでも市民権を得てきた
のは、正直嬉しかったですが。

 息子は、少し鼻が高かったらしく、少しだけ彼の中のパパの
地位が上がったみたいでした。