1960年頃、女性用の化粧品と言えば、化粧水は明色アストリンゼン、栄養クリームはマダムジュジュ、口紅はキスミー・・・男性は化粧品など無用な時代、頭髪用品はあった。1960年代、男の化粧品と言えばせいぜい柳屋「ポマード」か、丹頂「チック」、その後男性の七三分けの必需品ヘアーリキッドが発売され、ライオン「バイタリス」、資生堂「MG5」「ブラバス」、カネボウ「ダンディ」「エロイカ」などが売れていた。私は当時カネボウ「エロイカ」を使っていた。(どーでもエエはなし)そんな中、1970年丹頂が新しい男性化粧品シリーズ「マンダム」を発売した。当時「荒野の七人」や「大脱走」、「さらば友よ」、「雨の訪問者」などに出演し男らしさの代表のような俳優だった「チャールズブロンソン」をモデルにし、「う~~~む!マンダム」と言う決め台詞が人気を博しキャンペーンソング「マンダム・男の世界」が日本の洋楽チャートで大ヒットした。これを歌っていたのがジェリーウォレスと言うカントリーシンガーである。この歌は本国アメリカでは全然ヒットしなかったと言うか、認知すらされてなかったようだ。

 

私もジェリーウォレスなど名もなき一発屋歌手だと思っていたが、実は1950年代から活躍した有名なカントリーシンガーだった。特に1972年8月26日付けのビルボードカントリー部門で1位になった「If You Leave Me Tonight I'll Cry」は味わい深い名曲だ。他にも「How the Time Flies(1958)」「There She Goes(1961)」「Shutters And Boards(1962)」「In The Misty Moonlight(1964)」「To Get To You(1972)」など渋い名曲がたくさんある。1928年12月15日生まれで 2008年5月5日亡くなっているから享年79歳。ビートルズが活躍した時期とほぼ同じ時代のカントリーシンガーだったのだ。ついでながら、「丹頂」はあまりにも歌がヒットしたので1971年に社名まで「マンダム」に変更してしまった。