#伊都国の王都(三雲・井原〈いわら〉遺跡)南端には県道49号が走っています。

○県道49号の南に位置する古賀埼古墳から伊都国王都(三雲・井原遺跡)の眺望

(眼下の道は県道49号、右〈東〉に進めば日向峠です)

 

○古賀埼古墳現地案内板

 

○日向峠に向かう県道49号と古賀埼古墳(赤埼川に架かる高江橋から)

(電柱手前から2本目と3本目の向こうが古賀埼古墳)

(正面左から高祖山南麓、△419.4m、日向峠、王丸山)

 

○日向峠に向かう県道49号と古賀埼古墳(赤埼川に架かる高江橋から)拡大

(電柱手前から1本目と2本目の向こうが古賀埼古墳)

(正面に△419.4ⅿ、その右は日向峠、右端は王丸山)

(県道49号は糸島市二丈深江から大野城市山田四丁目まで。途中には伊都国王都〈三雲・井原遺跡〉、日向峠を越えて最古の王墓で有名な吉武高木遺跡、奴国王墓のある須玖岡本遺跡があります。)

 

○伊都国王都(三雲・井原遺跡:築山古墳の東側)から日向峠を望む

(左から高祖山南麓、△419.4ⅿ、日向峠、王丸山、飯場峠)

 

○南金武(東南)から見る日向峠(左端王丸山と中央△419.4ⅿの鞍部)

 (右にそびえる山は飯盛山)

 

○日向峠と吉武高木遺跡の位置関係(国土地理院地図)

 

日向峠を越えると国指定の吉武高木遺跡が広がります。

(福岡市の文化財)「吉武高木遺跡は、西に飯盛山、東に室見川を望む地に営まれた弥生時代の大規模な遺跡です。弥生時代中期(約2,200年前~2,000年前)の「国」(地域的なまとまり)の成立と展開を知る上で特に重要な遺跡として、 平成5(1993)年に国史跡に指定されました。」

○やよいの風公園(吉武高木遺跡)表示石板と秀麗な飯盛山

 

(福岡市の文化財)「昭和59・60(1984・1985)年に行われた発掘調査で、整然とならんだ弥生時代の木棺墓・甕棺墓の一群が発見されました。一般の墓からは区別された場所に墓域を定めており、主軸を北東方向にそろえ、平面長方形の大きな墓穴を持っています。加えて棺の中には、多くの青銅器や装身具が副葬されていました。

そのため、これらの墓は、一般の人々とは異なる、特定の有力者たちが葬られた墓―特定集団墓―と考えられています。」

○現地案内板①

 

○現地写真案内板②

 

(福岡市の文化財)「有力者たちの墓である特定集団墓の中でも、特に目を引くものが、この3号木棺墓です。墓群の中央部やや南寄りにあり、平面長方形を呈する墓穴を掘って、その中に組み合わせ式の木棺を納めています。」

○現地案内板③

 

(福岡市の文化財)「木棺の中には、銅鏡(多鈕細文鏡)1・銅剣2・銅矛1・銅戈1・ヒスイ製勾玉1・碧玉製管玉95という、質・量ともに優れた副葬品が納められていました。

3号木棺墓の副葬品は、内容が優れているだけではなく、銅鏡・青銅製武器・勾玉という組み合わせにも注目が集まりました。これは、歴代天皇のレガリア(象徴品)である鏡(八咫鏡:やたのかがみ)・剣(草薙剣:くさなぎのつるぎ)・勾玉(八坂瓊勾玉:やさかにのまがたま)という「三種の神器」をほうふつとさせるもので、この3種類をそろえて副葬した墓としては、3号木棺墓は日本で最初のものでした。このことから、この3号木棺墓は「最古の王墓」とよばれるようになりました。」

 

○現地写真案内板②の右上の拡大

 

魏志倭人伝に登場する伊都国記述の特異点は次の二点でしょう。

①世々王有るも、皆女王国に統屬す。郡使の往来常に駐まる所なり。

②女王国自り以北には特に一大率を置き諸国を検察せしむ。諸国之を畏憚す。

 

①では、伊都国には代々国王が居ると記されています。

②では、伊都国の重要な位置付けが記されています。

 

伊都国の国王として挙げられるのが、三雲南小路王墓(前1世紀から紀元前後)、井原鑓溝王墓(1世紀)、平原王墓(3世紀)です。いずれも三種の神器が副葬されています。吉武高木遺跡の3号木棺墓は三雲南小路王墓から更に1世紀遡ります。

3号木棺墓からは三種の神器が出土しています。それ故、最古の王墓と呼ばれています。伊都国から高祖山・叶岳・飯盛山を隔ててそんな王国(吉武遺跡群)があり、その王国は、弥生時代中期には衰退を始めています。

○現地案内板④

 

○現地案内板④の拡大

 

○現地案内板④の拡大

 

伊都国から日向峠を越えると墓制が変わります。伊都国では支石墓→甕棺墓→木棺墓と進化しますが日向峠から東においては前1世紀から甕棺墓と木棺墓は併用されています。

 

早良王国(吉武遺跡群)の衰退開始の時期と合わせるように日向峠を越えて下った地に三雲南小路王墓(前1世紀〜紀元前後)が築造されています。この事象が不思議に思えてなりません。

 

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