扱いが難しい映画

1991年のアメリカ映画に「ラルフ一世はアメリカン」というのがあります。

英国王室一家が全員揃って記念撮影の最中、事故で感電死するとんでもない場面から始まるコメディ映画です。

王位継承者が全員亡くなって大慌てで血筋をひく者を探した結果、アメリカに1人いる事が判明。しかし、ふとっちょで粗野な、いかにもアメリカ人といったオッサンだった。

これ結構真面目に作られているコメディ映画で、ラストもよくできています。しかしイギリスじゃ作れない映画だよな。

似たような切り口の映画で、2019年のスペイン映画「Los Japon」があります。

男子が産まれず皇統継承者がいなくなった日本皇室が、懸命に継承者候補を探した結果、スペインに1人見つける事ができた。彼は400年前にスペインに残った使節団の1人の子孫であり、間違いなく天皇家の血をひく男子だった、という映画。

天正遣欧少年使節や慶長遣欧少年使節で、実際にスペインに残った人はおりまして、現在もハポン（日本）姓を名乗っています。映画で継承者とされる男性もハポン姓の人物です。

この映画、評判良いのですが、肝心の日本で配信も無ければDVD販売も無いらしく実に残念です。

2005年のロシア映画「太陽」は、イッセー尾形が昭和天皇をこれでもかってくらいに熱演した作品ですが、これは日本国内でも上映されDVDも発売されています。

タブー扱いの映画で言えば1985年の「MISHIMA」もそうですね。監督はポール・シュレイダー、カンヌでも賞を獲得して世界的にも評価が高いのに、日本未公開です。もったいです。この映画での緒形拳の演技は凄いのですよ。私は輸入DVDで観ました。

そういえば、世界的に評価の高い三島由紀夫は、切手にもなっていないですね。

ケネディスタンプクラブ日記