パンダ初来日の時代背景 | ケネディスタンプクラブ日記

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四谷駅前のケネディスタンプクラブの日記です
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カンカンとランラン、この2頭のパンダがはじめて日本にやってきたのは、1972年(昭和47年)の10月28日でした。
当時はレコードは出るわアニメ映画「パンダコパンダ」(監督高畑勲、原案・脚本宮崎駿)は作られるわの大熱狂ぶりでした。


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この1か月前の1972年(昭和47年)9月25日、日中国交正常化が成立しました。
さらにその前、2月21日にはアメリカのニクソン大統領が中国を訪問しました。


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この当時の時代背景を少し解説します。

1945年(昭和20年)、日本の敗戦で第二次世界大戦は終了します。
それまでは国共合作(国民党と共産党が共に日本と戦う)だったのに、日本勢力が消えた途端、国民党と共産党による国共内戦が始まります。
その結果、共産党側が圧勝。1949年10月に中華人民共和国が成立。国民党は台湾へ逃げ込みます。

アメリカは、共産主義拡大に反対の立場から、台湾(国民党)支持の姿勢をとっていました。
そのアメリカの大統領が、いきなり中国を訪問したわけです。
背景には中国国内の文化大革命や、ベトナム戦争の激化などの要因もありました。

ニクソン訪中時の1972年(昭和47年)2月、日本の総理大臣は佐藤栄作でした。
その後の7月、自民党総裁選で勝利した田中角栄が内閣総理大臣に就任。即座に日中国交正常化交渉を進めます。
(このあたり、小泉純一郎の訪朝と似ています)

 

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ここで面白いのが、日中ともにアクロバティックな論理で着地点を模索する点です。

中国側は周恩来が「日本人民と中国人民はともに日本の軍国主義の被害者である」と発言します。
これにより「日本軍国主義」と「日本人民」は別扱いとなり「日本軍国主義」を非難することと「日本人民」と手を組むことに矛盾はなくなる、という論理展開です。
また日本側も、あくまで「ポツダム宣言に基づく立場を堅持する」という言い方で、「台湾も中国の一部」と主張する中国の言い分を否定も肯定もしないという立場をとることにしたのです。

互いに、国内の反対派や強硬派の意見を抑えつつ、実利をとらないと未来がないという危機意識があったのでしょう。


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このような状況の中での日中国交正常化であり、そのシンボルとして贈られたのがカンカンとランランの2頭のパンダだったのです。

周恩来という政治家については、またあらためて書き記していきたいと思います。