エッセイ3回目。今回はイギリスの王室制度について書きます。
なぜイギリスは国王ではなく女王なのか。これ、結論から言うと「継承権は女性にもある」というだけで、女王でなくてはならないわけではありません。継承権第1位の人が女性だから女王になっただけです。
もう30年前の作品になりますが、イギリス王室が全員事故死したため、血筋を引いた唯一のアメリカ人を国王にするコメディ映画「ラルフ一世はアメリカン」がありました。(これと似たような設定で、日本の皇位継承者が途絶えてしまい、宮内庁が系図を調べたら支倉常長の慶長遣欧使節団の子孫の1人が血統を引き存命中のため、現代のスペイン人が天皇になるLos Japón(ロス ハポン)という映画があります)
現在の女王エリザベス2世は1952年に即位してますので今年2021年で在位が69年にもなります。
その前の王はエリザベス2世の父親ジョージ6世。その前はジョージ6世の兄エドワード8世。
このエドワード8世が国王に即位した後に、2度の離婚歴があるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンとの結婚を選択してイギリス国王の座を放り出してしまいます。映画にもなった「英国王冠をかけた恋」です。
これにより弟は望まぬ王位に着きジョージ6世となり、自動的に娘が継承権第1位になってエリザベス2世になってしまったわけですから、確かに歴史が変わる恋だったわけです。
ちなみに、王位が男性か女性かで、イギリス国歌も変わります。女王の現在は「女王陛下万歳(God Save the Queen)」ですが、男性の場合は「国王陛下万歳(God Save the King)」になります。