Jiu >

 

 

「オンニ、大丈夫ですか?」

 

「んー」

 

オンニは、Lさんが置いていた

寝袋に入っていた。

 

「おやすみなさい」

 

「おやすみ」

 

ベッドサイドの明かりを消したから

急に夜が広がったような部屋で

 

「ジウヤ」

 

「はい?」

 

声だけが浮かぶ。

 

「・・ほんとは、約束

してたんじゃないの?」

 

「約束?」

 

「彼氏さんと」

 

 

「い、いえ、違うんです。

その、あれは、いや、アレっていうか、

向こうが勝手にいや、勝手というか、

その」

「明日は会うの?」

 

思わず、

身体を起こしてしまっていた。

 

「あ・・・・はい。そのつもりです」

「そ・・か。彼氏さん、優しい?」

 

「は、はい、すごく、優しいです」

 

「よかった・・でも、嫌な事は

言わなきゃダメだよ」

 

「嫌な事とか」

 

「私もさ、今回は、ちょっと、

先を考えちゃったから」

 

「先?」

 

「結婚・・ジウヤ、

考えた事ないの?」

 














「け、け、け、け、

け、っこん・・とかは、

そんな、まだ」

 

急なパワーワードに

心臓が速く動き出して

言葉さえ、ちゃんと出なかった。

 

 


わ、私が、

ジミンさんと・・結婚・・

 

ジミンさんが旦那様で

私がジミンさんの奥さん

 

奥さん・・

 

ジミンさんが・・私の旦那様で

私がジミンさんの旦那・・あ、違う

お嫁さん

 

 

お嫁

 

「大丈夫?」

 

聞こえた言葉に

とりあえず頷いた。

 

「もし、考えるんだったら、

やっぱり、言いたい事言わないとね。

自分の人生の時間・・半分以上

あげるかもしれないんだもん。

1人だったら、自由に正直に

生きていけたのに

結婚したばっかりに、

それができないとかじゃ

もったいないし」

 

・・・・・。

 

「1人でも生きていけるけど、

2人ならもっと楽しいって、

そう思えるのが1番だよ」

 

「そう・・ですね」

 

「・・・・そのためには、

話せる人じゃないとね」

 

“ジウヤ”

 

“どうしたの?”

 

ジミンさんは・・いつも聞いてくれる。

 

「幸せになりなよ。失恋したら

私のとこおいで」

 

「・・はい」

 

 

 

幸せに

 

ジミンさんと・・2人で

 

 

「ジウヤ」

 

「は、はい」

 

「彼氏さんさ」

 

「はい?」

 

 

 

「なんとなくJIMINに似てるね」

 

・・・・。

 

「ゼンゼンニテナイデス」

 

「そう?・・飲みすぎてたかな、

まあ、そうよね。そんな事、

あるわけないか。おやすみ」

 

・・・・。

 

 

「・・おやすみなさい」

 

 

・・・・そうか、

 

・・そうだよね。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆