JIMIN >

 

フリーズしてるジウに

一応、右手を挙げてみたけど・・

 

・・・・・。

 

「な、なん・・で」

 

「あぁ・・その・・謝ろうと思っ」

「ジウヤ~」

 

!!!

 

ドアの向こうから、急に聞こえた声に

2人の肩が同時に動いた。

 

「は、はい」

 

「着替え貸して~」

 

「あ、後で置いときますっ」

 

「よろしく~」

 

 

・・・・・。

 

 

 

また、見合ってしまった。

 

「その、今日」

「ジミンっっ」

 

俺の名前を言った口を

すごい勢いで押さえた彼女が、

 

「と、とにかく来てくださいっ」

 

俺の腕を引いた。


「あ、うん」

 

 

 

一応、装備は外してなかったから

俺は大丈夫だけど

 

 

濡れた髪のまま

上着も着ずに玄関の外に出た彼女は

明らかに身体に力が入った。

 

「あ、あの、オンニに見られたんですか?」

 

「いや・・うん、見られたけど・・

俺だってバレてないとは思う」

 

「ほんとにほんとですか?」

 

「ん・・だいじょうぶ・・たぶん」

 

「もぅ・・どうして、」

 

「家、帰れなかったから・・

待ってたかなって。でも、色々

考えたらカトクも返せなくて・・その・・

顔、見て、謝りたかった」

「大丈夫です。怒ってませんから」

 

「ほんとに?」

 

「はい」

 

「ほんとにほんと?」

 

ん、っと口を結んだジウは


「・・ちょっと、嘘ですけど」

 

嘘なんだ

 

「私も、ちゃんとカトクいれなかったし、

それに、ジミンさんに何かあったんじゃ

ないかって思って、慌てて、、でも、

今、大丈夫なのがわかったから

その、明日は」

「明日は、帰ってくる?」

 

着ていたコートを広げて彼女を包む。

濡れた髪は、ヒヤリと冷たくて

早く乾かしてあげたかった。

 

「ジ、・・・その・・だ、ダメです。

どこで見られてるか」

 

「明日」

「帰ります、ちゃんと、そっちに

帰りますから、今日は、早く

帰ってください」

 

「・・明日、何時?」

 

「19時には帰ります」

 

「・・わかった。じゃあ、帰る」

 

俺の言葉にホっとしたのがわかって

 

「・・帰りたくない」

 

なんか、やだ・・。

 

「バカな事、言わないでください」

 

・・バカって

 

「とにかく、隠れて、

見つからないように帰ってください」

 

・・・。

 

「帰ったら、必ずカトクいれてください。

じゃあ、気を付けてくださいね」

 

 

・・・・・。

 

すごい早口で言葉を残したジウは、

するっと腕を抜けて

 

ドアの向こうに消えた。

 

 

これが仲直りなら

 

・・・・キスぐらいしたかった。