JIMIN >

 

 

「ジミンさん?」

 

 

・・・・・。

 

 

 

とりあえず・・

 

彼女の髪を乾かして

 

水飲んで・・

 

 

ソファに並んで座った。

 

「どうしたんですか?黙ったまま」

 

・・・・。

 

 

「あ、もしかして、

湯あたりしましたか?

気持ち悪いですか?

氷、持ってきま、わっ」

 

また、立ち上がろうとした

彼女の手を取って

動けないように、

その膝の上に身体を倒した。

 

「どうしたんですか?教えてください」

 

横を向いたままの

俺の髪を優しくなぞる彼女は、

もう、いつものジウに戻ってたけど

 

「・・・ジウヤ、眠い?」

 

「いえ・・まだ、眠くないですよ」

 

「じゃ、もっかいする」

 

「え!?もう・・ですか?」

 

「・・だって、さっき

イってないでしょ」

 

「い・・、い・・き・ましたよ・・

・・ちゃんと」

 

「俺にはわかるの」

 

ホントにイッた後は、あんなに

すぐ、スイッチは切れない。

 

「わかるって・・それで、

ずっと黙ってたんですか?」

 

・・・・・。

 

彼女の声が呆れてるように聞こえて

やっぱり、上は向けなかった。

 

「じゃあ、」

 

彼女が少し身体をかがめた分

近づいた声。

 

 

「ジミンさんは、ちゃんと、

気持ちよかったですか?」

 

直球ですね

 

 

「気持ちよくなかったですか?」

 

 

「・・・気持ちよかった」

 

「よかったです」

 

よくない。

 

「ジミンさんを・・幸せにできたのは

私だけですよね」

 

・・・・。

 

「ここだから・・言います」

 

彼女の手が、優しく俺の身体を包む。

 

「ジミンさんを、独り占めできてるだけで

私・・すごく幸せなんです。

私の名前を呼んで、私に笑いかけてくれて

私で気持ち良くなってくれて

・・すごく、すごく幸せなんです」

 

・・・・・。

 

「ジミンさんの彼女になって・・

どんどん、欲張りになります。

声が聞きたい、私だけを見てほしい、

触れたい、触れてほしい・・

時間が止まってほしい」

 

 

彼女の膝の上、

ゆっくりと向きを変える。

 

優しく笑った彼女の柔らかい頬に

自然と手が伸びた。

 

その手に彼女の小さな手が触れる。

 

「ジミンさんが、いてくれるだけで

私は幸せです」

 

「ジウヤ」

「だから、ジミンさんが先でも、

なんの問題もありません」

 

・・・・・。

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、もっかいする」

 

「じゃあ、アイス食べて、遊んでから」

 

「遊ぶ?」

 

「はい、時間は、たくさんありますから。

ジミンさんと、したことがない事

しようと思って、持って来たんです」

 

「何を?」

 

「・・・これです」

 

なんで、それがソファの隙間から

出て来るのか

わかんなかったけど

 

 

「花札?」

 

「はいっ、ジミンさん、できますか?」

 

・・・・。

 

ゆっくり、身体を起こして

落ちてきた髪をかきあげる。

 

「言っとくけど、俺、強いよ」

 

「私もです」

 

「・・なにする?」

 

「*ゴーストップしましょう」

 

「*デトリョンは?」

 

「いれましょう」

 

「俺が勝ったら?」

 

「私が勝ちます」

 

・・・Hの時より、

スイッチ入るの早くない?

 

「OK、わかった。じゃあ、負けた方は

勝った方の言う事を聞く事」

 

「3つ」

 

・・・・・にこにこしてるけど

 

それは、自分が勝つ前提ですよね。

 

「ジウヤ」

 

「はい」

 

「手加減できないからね」

 

「そんな事したら、嫌いになります」

 

けっこう簡単に振られるな

 

「ジミンさん、アイスは?」

 

まだ、熱を持つ身体を冷ますには

食べた方がよさそうだった。

 

 

「食べる」

 

「持ってきます。あ、ジミンさん

*スンでいいですよ」

 

 

軽い足取りで、段を上って

キッチンに向かった彼女の背中に

思わず口元が緩む。

 

“いてくれるだけで幸せです”

 

 

なにか特別な事をしなくても

 

誰かを幸せにできる。

 

そんな無条件の世界が

家族以外でもつくれる

素直な彼女が

心から愛しかった。

 

 

 

あ、

 

キッチンの彼女の姿は

開いた冷蔵庫の扉で隠れていたけど

 

 

「ジウヤぁ、ケーキもあるよ」

 

声はちゃんと届いた。

 

 

 

「アイスの次に食べまーす」

 

 

 

 

・・・りょーかい。

 

 



 

*ゴーストップ

・・花札を使ってするゲームの1つ

*デトンリョン(大統領)

・・手札に同じ月の手札が4枚あったら

  あがれる。強い役。

*スン・・親

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆

 ※画像お借りしました。