JIMIN >

 

「ほんとに、ちゃんと、目、

閉じててくださいね」

 

「・・・わかった」

 

「絶対、開けちゃダメです」

 

「絶対、開けない」

 

 

「じ、じゃあ・・行きますね」

 

「どーぞ」

 

 

 

 

 

・・・何?これ

 

軽く動かした手元に何かが当たる。

何かって花びらなんだけど・・







「絶対、開けちゃダメです」

 

「開けてないよ」


えらいよなぁ。

ちゃんと、閉じてるって。


でも、

同じセリフが、さっきより

傍で聞こえた後、

チャプっと軽い音と一緒に

お湯が動いたのがわかって。

 

 

 






タオル!?

 

 



見えた姿に思わず

声を出してしまった。

 

「目、開けないって約束したのに」

 

「いや、・・うん、ごめん」

 

広い浴槽の端まで言った彼女は

肩まで真っ赤になっていた。

 


・・・・。

 

「タオル、巻いてるなら

目、開けててよくない?

っていうか・・なんで壁向くの?」

 

「だ、だって、ジミンさんは

・・裸なので」

 

 

・・・風呂って何?

 

 



んーーー



・・・・・これ・・もしかして

 

このままで終わり・・?

 

“ジミンさん、頑張ってくれたのに”

 

・・・・いや、

 

別に・・この為じゃないけど

 

「ジウヤぁ」

 

「なんですか?」

 

「こんな事・・

言うつもりなかったけど」

 

「はい?」

 

「俺・・頑張った」

 

「・・・はい」

 

「すっごく、頑張った」

 

「・・・はい」

 

「この距離、やだ」

 

 

 

 


ジウには、直球で言わないと

 

「・・・わかりました」

 

お!?

 

 

・・・・・。

 

 

 

浮力も手伝って、

軽くなった彼女の身体は

背中を向けたままだったけど、

スイっと、俺の前に来た。

 

・・・・シュールすぎん?

 

 

笑いがこみあげたてきたけど

 

・・・・。

 

まとめた髪は、

彼女の細い首をきれに見せた。

お湯から出ている肩は

滲む水滴をはじいて、

その雫が

伝うのが見えた瞬間、

 

 

 

抱き寄せた

彼女の身体に力が入ったけど

 

「やっぱり、わかんない」

 

そのまま言葉は続けた。


「な、何がですか?」

 

「Hしたのに、なんで、

こっちがダメなの?」

 

「それは・・その、明るいし、

スイッチ・・入ってないから

逆に、色々と、しっかり、

見える・・ので」

 

ふーん、

 

スイッチね・・。

 

・・・・・。

 

 

 

なんか

 

 

今、俺、入ったかも・・

 




「じゃあ、・・ジウヤは、Hしてる方が

恥ずかしくないんだ」

 

「ち、違います、

そーゆー事じゃなくて、んっ」

 

彼女の肩に唇を当てただけなのに

 

そんな反応みせないでよ。

 

「スイッチが入れば、いいんでしょ」

 

「ちが、そういう、」

 

たぶん、似たようなやり取りだろうから

口をふさいでも、問題はないと思った。








※画像お借りしました。