JIMIN >

 

軽く合わせた柔らかい唇の感覚に

めまいまでした。

 

つい何分か前まで

 

もう、会えなくなるんじゃないかって

心臓がおかしな動きをしていたのに

 

「ジミンさん・・」

 

「ん?」

 

「お話が・・あります」

 

・・・

 

次のスイッチを押す為のキスに

移る前でよかった。

 

「うん、ちゃんと聞くよ」

 

俺の言葉に、嬉しそうに笑った彼女が

目を伏せて落ちた視線は

俺との間にある小さな両手。

 

今、気づいた。

 

「何、持ってるの?」

 

 

ゆっくり開いた

彼女の手の中にあったのは

 

 

これ・・

 

「この・・イヤリング」

 

“たまには、こうしないと

パワーがなくなるんです”

 

そう言いながら、ネックレスを

月にかざしているジウを見てから

俺も自分の身に着けるモノを

“月光浴”させる事にした。

 

このマンションだと、ベランダの手前が、

一番月の光が入りやすかったから

そこにタオルを敷いて、

アクセを並べていたけど

その時、必ず一緒に並べていたのは

9年前の6月13日に拾った

 

三日月のイヤリングだった。

 

「これ・・私のです」

 

 

・・・・