4月19日(月)【21:35】

 

 

「ヒョン、今日も作業なの?」

 

「ん?あぁ・・」

 

「今日ぐらいユジョンさんと

会えばいいのに」

 

・・・・。

 

「今日は、あっちに

用事があるって言われた」

 

「残念」

 

「んー、しょうがない」

 

 

テヒョンと、こういう話が

できるようになってきた。

無理して話してる感じも

少なくなってきてる。

 

「お前は?今日、どっか行くのか?」

 

「ん、友達と会って来る」

 

「そうか、楽しんでこい」

 

 

 

 

 

「・・ヒョン」

 

「どうした?」

 

「・・ホントに、僕に気を

つかわないでね。そういうのが、

一番キツイから」

 

・・・・。

 

「気なんかつかってないよ。

今日は、ホントにあっちの都合が

つかなかったんだ」

 

「俺には気を使え」

 

!!

 

「ジンヒョン」「ヒョン」

 

急にテヒョンの肩を抱きながら

話始めたジンヒョン

 

「テヒョンア、お前は

失恋したとは言え、

ニヤニヤしてる時はあったろ」

 

「ニヤニヤって」

 

「ナムジュナ、お前は、

絶賛ニヤニヤ中だろ」

 

「絶賛って」

 

 

すぅと息を吸って

一気に言葉を流し始めた。

 

 

「俺なんて、一瞬もないんだぞ、

左から3番目の男なのに

WWHなのに、なんでないんだよ」

 

「そんな事、僕に言われても」

「同じく」

 

「俺がどれだけお前達に尽くしてきたか。

いいか、お前達は、俺の料理で大きく

なったんだ。風呂に入れて、

風邪ひかないように髪も

乾かしてあげて、洗濯も掃除も」

 

「そこまでしてもらった覚えは」

「やぁ、テヒョンア、そこは、

“そうだったね”が礼儀だろ」

 

「“そうだったね”じゃあ、行くね。

あっ、ジンヒョン、大丈夫だよ」

 

「何が」

 

「何もなくて淋しいのは

あいつも一緒だよ」

 

「あいつって?」

 

「ジミニ」

 

「・・・・・」

 

黙ってしまったヒョンの態度に

俺とテヒョンの目があった。

 

「・・もしかして、あいつにも彼女!?」

「え!?マジで。僕、聞いてない」

 

「・・いや、彼女じゃない

・・彼女じゃないけど」

 

 

ジンヒョンの視線は、ゆっくりと

斜め後ろのソファに座るジミンに移る

つられるように俺達の視線も動いた。

 

スマホを見て、・・確かに

 

「ニヤニヤしてる・・え?マジで?」

 

テヒョンが

ちょっと楽しそうに笑った。

 

その時、一瞬視線を戻した

ジンヒョンが優しくテヒョンを見た。

 

・・・そういう事か

 

 

ヒョンは誰も独りにしない。

 

意識してないつもりでも

相手がいるメンバーは、

テヒョンと話す時

言葉を選ぶところがあった。

 

繊細な弟が何も感じないはずない。

 

ヒョンの言葉を聞いてるうちに

どこかぎこちなかった線がほどかれ

フラットになる。

 

「あれ・・何見てると思う?」

 

ん~・・

 

「テヒョンア、行ってこいってか、

お前、直接聞いて来い、

彼女できたのかって」

 

「え~・・あっ、時間だ。じゃあね、

あいつ、できたら言ってくると思う

から、そしたら、みんなに話すよ」

 

話すなよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒョン、さすがです」

 

「何が?」

 

「・・いえ、なんでも」

 

「・・でも、実際、なんで俺には

出来ないんだろうな」

 

 

 

「そんなの好きな人が

いるからじゃないですか?」

 

 

 

・・・・。

 

 

「ヒョン?」

 

 

 

「まぁ、お前も彼女と会う時は

気をつけろよ。おつかれ」

 

 

 

 

 

 

へぇ、

 

 

好きな人がいるんだ。

 

 

 

ハンサムな顔を真っ赤にして

ヒョンが、控室を出て行った。