2月11日(木)【14:00】

 

 

「わぁぁぁぁぁ、出来た。

すごい、すごい、出来た」

 

「うん、上手く出来たね」

 

 

ダイニングテーブルには

生クリームとフルーツの

ホールケーキ。

 

「ちょっ、写真、写真」

 

思わず、連写してしまった。

 

そんな私の横で

嬉しそうに笑ったのはリアンオンニ。

 

ケーキの作り方教えて欲しいって

言ったら、家まで来てくれた。

 

 

切るの、正直

もったいなかったけど・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~、おいしい~

これ、再現できるかな」

 

「大丈夫よ。ユジョンちゃん、

器用だし私、すごく動きやすかった。

ジョングギより優秀な生徒だったよ」

 

「ジョングク君、何作ったの?」

 

「パスタ、なんか番組でイタリアンに

挑戦するから教えてって言われて」

 

「イタリアン・・あぁぁ、あれ。

ちゃんと上手だったよ。オッパは

・・相変わらずだったけど・・

でも、かっこ良かった」

 

 

つい、言葉がもれてしまった。

 

「ごちそう様です」

 

 

・・・・。

 

咳払いしないと声が出ない。

 

「そ、その時はもう、

付き合ってたの?・・あれ?

これ、私聞いたっけ?」

 

「あぁ、付き合いだしたのは

去年の7月だから、その時は、

まだ・・それこそ、テヒョン君が

イチカさんに顔見られたって

言ってた時だったから・・」

 

・・・・。

 

「そ・・か・・みんな、

それぞれの時間があるんだね」

 

「・・イチカさんは、まだ

こっち帰ってこないんだよね」

 

「うん、まだ、この状況じゃね。

オッパ達が落ち着いて来たから

もうちょっとだとは思うんだけど。

スズオンニが来月会いに行くって

言ってた」

 

「・・私は・・何ができるかな」

 

・・・・。

 

「リアンオンニは、美味しいモノ

いっぱい作れるでしょ。オンニの

料理食べたら、すっごく

幸せになれるよ。って言っても、

私食べてないけど、オッパが言ってた。

でも、プリンも美味しかったし、

このケーキだって、すっごく

美味しいし、今度、みんなが

集まる時は、オンニの料理

食べるの楽しみにしてるんだ。

・・勝手に・・」

 

「ありがと・・。ホント、

ユジョンちゃんの言葉は、

みんなを元気にする力が

あるんだね」

 

「・・いやいや、私の

低い語彙力なんかじゃ・・」

 

「そんな事ないよ、

ユジョンちゃんと話してたら

すごく元気になれるよ」

 

・・・・。

 

「・・そ、かな。私にもできる事が

あれば・・嬉しいけど」

 

「ユジョンちゃんにしかできないよ」

 

・・・・。

 

嬉しすぎて、なんか、恥ずかしくて

口元を隠してしまった。

 

「可愛い・・ナムジュン君は、

こういう所が好きなんだろうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔、熱・・

 

「これ、残ってるの大丈夫?」

 

「ん?うん、弟が食べるし、

オンニ・・伯母さんもいるし。

また夜食べるよ」

 

「弟さん・・ケーキ

サプライズじゃないの?

14日の誕生日」

 

「あ~・・カットして

・・もらったって事にする」

 

「そっか、反応楽しみだね」

 

「うん・・喜んでくれたらいいな」

 

「作る時は、その気持ちが

1番大切なんだよ」

 

「ん・・あっ、そだ、

お店どうするの?売ったんでしょ

またどこかで再開するの?」

 

 

 

「・・お店は、今は持たなくても

いいかなって思ってるんだ。

ちょっと、あの場所に

縛られてるとこもあったし・・

それに、今日、なんとなく

つかめたような気がする」

 

「何が?」

 

「も少ししたら、また話すよ。

その時は・・話聞いてくれる?」

 

「うん、そりゃ、もちろん・・」

 

なんだろ?

 

でも、リアンオンニが

楽しそうな顔になった。

 

よかった