6月14日(日)【10:27】

 

 

 

 

 

ん?

 

あれ?

 

 

エレベーターから降りた先、

キョロキョロしながら

動いてる人が見えた。

 

・・・・。

 

 

「どうしたの?」

 

後ろから声をかける形に

なってしまった。

 

「えっ、」

 

驚いた声をあげて

振り向いた彼女は、

 

「あ、ジミンさん」

 

 

ホッとしたような表情に変わった。

 

・・・・。

 

なぜか、一瞬

視線が迷ってしまったけど

ちゃんと、 彼女が持っている

A4サイズの茶封筒で止まった。

 

「それ・・持って行くの?」

 

「あっ、そうなんです。受付で

場所、教えていただいたんですけど」

 

「迷ったんだ」

 

んっと唇を結ぶ。

 

 

 

「いいよ、一緒に行くよ」

 

「えっ、いえ、大丈夫ですよ」


「わかるの?」


「わからないですけど」


・・・・。

 

「いいよ。僕も練習室のカギ

取りに行く途中だったから。

行くとこ一緒だから」

 

「あ、そうなんですね・・・じゃあ、

あの、よろしくお願いします」


そう言って

しっかり身体を倒した。






「今日、お休みなんですか?」

 

「ん、奇跡的に」

 

「お休みなのに、

練習室行くんですか?」

 

・・・・。

 

 

 

 

「今、なんか同情した?」

 

「そ、そんな事ないですよ、

えらいなって尊敬したんです」

 

慌てた様子で首と手が動く。

 

あまりにも高速で動くから

笑ってしまった。

 

「そういうジウさんは、仕事?」

 

「今日は休みです。この書類だけ

持って行くようになってただけで」

 

「あぁ、そうなんだ」

 

「はい」

 

オフィスに続く廊下は

2人で距離を空けて

横に並ぶには狭すぎて

俺の後を、彼女がついて来ていた。

 

 

 

 ~・~・~・~

 

「ちゃんと渡せた?」

 

「ジミンさんっっ」

 

 

彼女を案内して、別れて

カギをもらった後、まだ彼女が

スタッフと話しているのが見えて・・

 

 

なぜか

 

 

出入り口で足が止まって。

 

結果、彼女を待ってしまっていた。

 

案の上、

驚いた様子だったけど

 

「・・はい。渡せました。

ありがとうございました」

 

また、しっかりお辞儀。

 

・・・・。

 

なんでだろ

 

「ジウさん、今度、

こっちに付き合って」

 

顔を上げた彼女に

口が勝手に動いた。

 

 

なんか独りになりたくなかった。

 

 

 

「・・えっと、」

 

困ったような彼女の声に

急に我に返った。

 

俺、何、言ってんだ。

 

「ご、ごめん、用事あるよね」

 

しかも、練習室に2人とか・・

 

 

「いえ、用事は・・夕方からなんで

時間は大丈夫なんですけど、・・私」

 

すごく、マジメな顔だった。

 

「私、・・踊れないですよ」

 

 

・・・・・。

 

 

 

 

「ジミンさん、

なんで笑うんですかっっ」

 

ごめん、

 

 

息、苦しい