【18:30】

 

  ◇ Blue

 

 

頭の中で彼女の言葉がグルグル回る。

             

『テヒョンア、愛してるよ』

 

・・・。

 

だめだ、顔がにやける。

 

思わず、両手で顔を覆う。

 

その時だった。

             

キム・テヒョン氏っっっ

 

!!!!

 

思いっきり体が跳ねあがった。

 

振り返ると、顔を確認する前に

2人分の体がぶつかってきた。

 

2人共、すごく喜んで・・

 

 

 

これから、どう、からかおうか

心の底から楽しみにしているのが

よく伝わった。

 

僕の髪をグシャグシャにして

笑っているのは、

 

ジョングクとジミン。

 

うまく楽屋から

抜けたつもりでいた。

             

「ジミニヒョン、すごいね。

  バッチリだったね。」

 

なぜかジミンを褒めるジョングク。

 

ジミンは腕組みをして顎をあげる。

             

「そうでしょう。

言ったとおりだったでしょう。」

 

ジミンは、何を思ったのだろうか、

どこで気づいたのだろうか。

 

僕の声が聞こえたのか、

ジミンが僕の顔を両手で挟んで、

顔を近づけた。

             

「誕生日の夜、お前、1人で

ヌナの家に行ったろ?

あの時から、浮ついてたもんなぁぁ。

もう、黙って見守るのも

辛かったんだぞぅ。」

             

あの夜は、皆酔っぱらって、

すぐに寝てしまった。

 

ヌナとジニヒョンの事が

頭から離れなかった僕は、

ナムジュニヒョンの

スマホがなくなったと、

嘘をついて彼女の家に行った。

             

 

 

「・・ジミナ、・・起きてたの?」

 

 

“親友”は口の端だけあげて笑う。

 

・・悪い顔だ。

 

 

「俺だけじゃないよ。

ヒョン達、全員ね。」

   

・・・・。

 

          

「違うよ~、

ホソギヒョンと僕は、本当に寝てたよ。」

 

ジョングクが楽しそうに突っ込む。

 

あぁ、そうだった、

とジミンが楽しそうに返す。

              

「・・じゃあ、みんな知ってるの?」

 

 

僕の言葉に2人は、

小学生の顔になっていた。

 ニヤァと口の端をあげて笑う。

 

そこからの撮影は、

もう、どう気持ちをもっていっていいのか

わからなくなったけど、

どうにか終わる事ができた。

 

 

 

 

 

~・~・~・~

 

 

午前2時。

 

次は、朝日待ちだった。

 

僕は、隅に置かれた

ソファの上に倒れこむ。

 

瞼は自然と視界をふさいでいった。

             

    

 

 

 

 

~・~・~・~

 

 

 

「オッ」

 

ホソギヒョンは本当に初耳だったようだ。

 

朝日待ちの撮影が無事終わり、

次のテレビ収録前に1度、

皆で宿舎へ戻った。

 

リビングに集められ

ソファーに座らせられた。

僕以外のメンバーは

今から、何があるか知らない。


ジミンとジョングクだけ

楽しそうだった。


………。

 

そして始まる2人の再現寸劇。

 

彼女の声は聞こえていなかったはずなのに、

だいたいセリフは合っていた。

 

ヒョン達は……爆笑していた。

 

ユンギヒョンが声にならない笑い声で

爆笑している。

 

そんな中のホソギヒョンの反応。

 

口を両手で押さえ、目を丸くしている。

 

言葉にならない数分間が過ぎ、

             

「Vやぁぁぁぁ。」

 

と言って抱きついてきた。

 

喜んでくれていた。

 

僕は、すごく恥ずかしかったけど

皆が祝福してくれたのが

本当にうれしかった。