第26帖・常夏は光源氏36歳夏のことを書いています。
※Top写真は佐賀県唐津市にある鏡神社。『第22帖・玉鬘』から『第31帖・真木柱』までは、玉鬘十帖と呼ばれる源氏物語でも光源氏の一生と関連が薄い外伝的内容なのでTop写真を統一しています。
※この項目は、関連事項などの記事をアップしたらリンクアップデートします。
帖名の「常夏」は光源氏と玉鬘が常夏の花(撫子)を詠んだ和歌「なでしこの とこなつかしき色を見ばもとの垣根を人や尋ねむ」からきています。
源氏物語を現代語訳された与謝野晶子さんは、次のような和歌を載せています。
「露置きて くれなゐいとど 深けれど おもひ悩める なでしこの花」
<あらすじ>
盛夏の六条院の釣殿で涼んでいた光源氏は、息子・夕霧のもとを訪ねてきた内大臣(頭中将)の子息たちに、近江の君を尋ねる。近江の君の良くない噂は光源氏にも知れていて、息子・夕霧と雲居の雁の仲を認めない不快もあり、痛烈に皮肉ります。
そんな光源氏と内大臣(頭中将)の不仲を聞いて、いつになったら実父に会えるのか思い悩む玉鬘。
しかし、光源氏は玉鬘に和琴を教えながらますます惹かれていきまする。
源氏の皮肉を聞いた内大臣(頭中将)は、雲居の雁のもとを訪れ、薄着でうたた寝する姿を見て説教をします。
近江の君の処遇に困り、長女(弘徽殿女御)の元に行儀見習いへ出しますが、近江の君の行いは女房たちの失笑を買ってしまうありさまでした。
<第22帖・玉鬘の主な出来事>
◎六条院釣殿での納涼
<関連事項> 氷室 (氷)・水飯
<関連事項> 鮎
<関連事項> はも
◎内大臣(頭中将)の近江の君の噂
◎光源氏が玉鬘を訪ね、琴を語り、和歌を詠う
<関連事項> 撫子
<関連事項> 和琴
◎玉鬘に対する世間の噂
◎娘・雲井の雁の元を訪ねる内大臣(頭中将)
◎近江君の処遇に苦慮する内大臣(頭中将)