中国電力・株主総会は26日です。株主提案をもう一度まとめておきます
定款とは会社内の憲法に相当するもの…その改定を話し合うのが株主総会。
第1号~3号議案は取り締まり会から提出されました。
中国電力には現在島根原発1号機、2号機があり、
前者は福島第一の1号機と同じマークⅠ、さらに建設を終えた3号機が始動を待っています。
周辺海溝には2006年に活断層も確認されました。
第4号議案 原子力発電所の廃炉事業
提案の内容 当社定款 第1章・第2条(2)原子力発電所の廃炉事業を行う。
a.原子力発電事業は行わない。
b.そのための廃炉検討委員会を設ける。
c.廃炉により発生する放射性廃棄物は中国電力本社内に貯蔵して管理する。
d.島根原子力発電所3号機には核燃料は装荷しないで、廃炉研究施設として使用する。
提案の理由
福島原発事故により、東京電力は福島第一原発1号機から6号機までの廃炉を決めました。当社の島根原発第一号機についても、営業運転開始から40年が経過し、廃炉は確実な状況になっています。これから、全国の原子力発電所も、多くが廃炉時代に向かっていきます。
しかしはいろといっても、その行い方や技術は、はっきりと定まっていません。長い月日が掛かりますし、その費用も膨大膨大となります。特に事故を起こした福島第一原発の1号機から4号機については、廃炉が終了するのは、私たち世代の生存中には不可能だと思います。
当社社員の能力は優れており、技術力も優秀だと聞いております。当社が廃炉事業を行い、これから廃炉を迎える全国各地の原子力発電所について、その事業を営み、廃炉事業収入を得ることは、当社の経営にも大きく貢献するもと考えます。
そのために、当社島根原発3号機は廃炉のための研究施設として活用していきます。
中国電力は瀬戸内海にももう一つ、上関原子力発電所を建設中です 
自然保護の観点から、その中止を求めたのが次の提案

第5号提案
提案の内容 第1章総則 第2条 (3) 里海・里山の活用保存を行う。
a.10年経過しても、実現できない事業は中止して、取得した土地は自然環境保全のための活用に転換する。
b.希少生物や保護を要するものが発見された時は、開発をしないでそのままの状態で、守っていく環境保全事業に転換する。
c.上関原子力発電所は、白紙撤回して、今後は新設や建設は行わない。
d.上関原子力発電所の建設計画で取得した用地や土地は、自然保護地としての活用を図る。
提案の理由
東京電力は、1922年から尾瀬ヶ原にダム建設を計画しましたが、その後、国立公園に指定され、自然保護運動、建設反対の声で計画は頓挫しました。その結果、自然保護に転換し、木道の整備や湿原の復元の事業を行っています。福島原発事故後も事業は解体されず、土地管理・環境整備事業会社として存続させています。
当社は、32年にわたって上関原子力発電所を計画してきましたが、この地域は瀬戸内国立公園内にあり、天然記念物のカンムリウミスズメや希少な貝類、動植物がいることが分かり、原発を建設するのではなく、保護していく貴重な地域になっています。
原発の安全性は崩れ去りました。原発から出る放射性廃棄物の処分が10万年にもわたることを考えると、上関原発は建設ができません。よって、取得した土地は、自然保護地として残していくことにします。その環境保全事業を行う事業体をつくり、国立公園の一角を大切に保全していくことにします。
これまでどんな株式総会でも、取り締まり会が提出した以外の議案が通った試しはありません。
そのせいか提案文の中には、はじめから否決を見越したようで、文章は荒削りです。
しかしそのままを引用させていただきました。
第6号議案
提案の内容
第7章 第47条 発電事業から送電、配電事業を切り離し別会社での運営する。
2 本会社の事業目的の電気事業は発電事業のみを行う。
3 今後3年をかけて、送電と配部門を分離していく会社分離のための組織改革を行う。
4 発電事業では原子力に代わり自然再生エネルギーによる発電を20%以上としていく。
提案の理由
昨年11月に改正電気事業法が国会で成立し、これから本格的に電気の供給体制が変わっていくことになります。その結果、2016年には家庭用の電力小売りが全面自由化され、2018年からは発電と送電部門を別会社にする予定で進んでいくことになっていきます。
このことは、従来から株式提案をし続けていて、遅まきながら法的にも制度的にも実施されていくということです。当社は原子力発電の比率が11%と少なく、中国地方に供給する大口事業所の中には、大規模自家発電設備をもっていて、電力契約離れが起こる可能性が広がってきます。家庭用や小売に依存している当会社においては、早急に対応を考え実施する必要があります。
そのためには、原子力発電による電気はいらないとの消費者のニーズと、低廉な電気単価のものを提供しなければなりません。
定款に定めて、会社経営を3年間以内に、本格的な自由化に備えていけるようにしていく提案をします。
第7号議案
提案の内容
第8章 第48条 住民の安全を確保することを目的として、原子力発電所から半径50km内の自治体と「原子力発電所周辺自治体との住民の安全確保等に関する協定」を締結する。
2 協定の内容は、立地自治体と周辺自治体においては同一の内容とする。
3 立地自治体とその周辺自治体で締結する協定の内容は、原子力発電所の新増設の計画及び原子炉施設に重要な変更を行う時、また再稼働させる時、原子炉を解体する時の事前了解を、明確に規定するものとする。
提案の理由
福島原発事故において、環境中に漏れ出した放射性物質は福島を中心とした東北地方、そして北関東まで汚染してしまいました。放射線に敏感な子供を抱える家庭では、福島県内ではもちろんのこと、関東でも西日本への避難を選択する人が、多数あります。
この事故を教訓に、原子力防災範囲は一気に拡大されることになりました。原発から15km内をPAZ、30km内をUPZとしてそれぞれ防護措置が取られる区域とされ、概ね50kmの自治体とは、原発事故の被害が及ぶ範囲として、最低限、安全協定が必要です。
なおかつ、明確でない再稼働時の事前了解等を含む内容とし、すべての自治体が住民の確保するための権限を有するために、同一の協定内容でなりばいけません。
第8号議案
提案の内容
第9章 第49条 原子力発電所の膨大な自己の発生に鑑み、補償として当会社として責任を負う事のできる額の損害賠償保そのがく険を掛けることにする。
2 その額は、1発電所について10兆円を最低限度額にする。
3 福島原発事故の最終賠償金額が決定した時点において前項の額を超えたり、新たに原子力発電所の事故により、前項の損害賠償額を超えるようなことがあれば、最低金額を変更する。
提案の理由
原発の事故が起きた時に、被害の賠償責任の履行を迅速かつ確実にするため、原子力事業者に対して原子力損害賠償責任保険への加入が義務づけられています。この額は、通常の商業規模の原子炉の場合は、現在1200億円となっています。この金額では、十分な賠償を行うことはできません。
この3年間で、福島第一原発事故の損害額は11兆円に達しました。2年3カ月前の約2倍となっています。内訳は、除染費用が2兆五千億円、中間貯蔵施設の整備費用が1兆1千億円、汚染水対策費用が2兆円で未曾有の被害金額となっており、このほかにも莫大な費用が必要となっています。
11兆円の費用の中には、40年続くとされている廃炉費用は含まれていません。これからも莫大な費用が必要となります。
そこで、原子力発電所の事故に鑑み、事故発生責任者として全金額が賠償できるように、当面、10兆円の原子力損害賠償保険を締結することとします。
株主提案以上
活断層と原発 
中国電力の5つにくらべ
関西電力は25もの株主議案を提出しています。
総会は同日で出席できないし、そもそもわたしは
中電の8分の1以下の微々たる議決権しかありません。
資料を深読みする能力は、わたしにはありませんし、
すべてをここに載せることもできません。
しかしそれにしても関電の株主提案は一つ一つが
かなり練られているようです。
定款とは企業の憲法のようなものだと申しましたが、
憲法では欠かせない「前文」をあらたに加え、理念を明かにする提案から始まります。
第4号議案
議案の内容 定款に前文を新設し社是とする。
【前文】 関西電力は、国民のくらし・経済の基礎となる安全・安心の電力を供給する社会的責任を果たす。
1.地球環境保全のため当社は積極的な役割をはたす。
2.電力システム改革により国家的なエネルギー自給自足をめざす。
3.原子力発電優先から地域分散型再生エネルギーを基軸とする安定経営をめざす。
4.労働者の権利を擁護して蓄積された技術を継承し電力企業本来業務に徹する。
5.ライフラインを維持発展させる目標と消費者の権利をまもる民主的運営に徹する。
提案の理由
福島原発事故による約15万人もの被災者は、いまも全国に避難し過酷なくらしを余儀なくされ、当時福島県に在住していた36万人の子ども達は長期の甲状腺検査を続けねばならず、この非人道的な事態を招いた原子力発電推進政策は徹底的に反省せねばなりません。福島事故の高濃度汚染水漏れは引続き重大事態です。「原発投資のもとをとる」とか「火力の燃料代との比較だけで再稼働」を云々するような姑息な経営方針は根本的に改めるべきです。当面東電は、福島事故対応に全力投入しなければならず、そのため電事連トップでもある関電のリーダーシップは内外から注目されています。国民の信頼を取り戻すため電力システム全面改革の方針を示すべき時です。ライフラインの維持発展に努めてきた当社は、企業の理念を国民に明快に示すため定款に前文を起こし、社是として宣言することにします。
第5号議案
提案の内容
定款「第1章 総則」 第2条中、「本会社は、次の事業を営むことを目的とする」を「本会社の事業は、国民の安全を最優先するCSRに基づき次の事業を営むことを目的とする。」に改める。
提案の理由
福島原発事故により放出された放射性物質によって日本の広範な国土と海容が汚染され、福島県民をはじめ国民に甚大な被害をもたらしました。そして現在も放射能汚染水タンクは増え続け、汚染水漏れも度々発生しています。このような事態のなか関西電力は大飯原3、4号機と高浜3、4号機の再稼働を申請しています。国や自治体による若狭湾原発周辺住民の避難対策計画も進まないなかで再稼働すべきではありません。世界的に見ても周辺住民の許可なしに原発の運転は出来ません。また核燃料サイクルの実行は見通しがありません。関西電力は国民に対する安全・安心を最優先するライフライン事業者として社会的責任に徹し、過去の経営姿勢から本来基本業務への転換を宣言すべきです。
恥ずかしながらわたしは「CSR」が何のことか、これまでまったく知りませんでした…恥ずかしい。
corporate social responsibility …企業の社会的責任
だったんですね。
関電の株主提案ではこの言葉が繰り返し用いられています。
それは今に始まったことではないようで、2004年にすでに「関西電力グループCSR憲章」を勝ちs取っています。
別に129名のもっとも多人数による提案もなされています。
第13号議案
提案の内容
「第1章 総則」第2条第1号に以下の項目を付記する。
1 電気事業
等事業のうち、原子力発電事業は除く。
提案の理由
2013年9月15日から国内の全原発が停止している。それが1日でも長く続くよう市民は願っている。電気は足りている。節電努力も拡大しつつある。当面の安定供給のために火力発電に頼らざるを得ないが、燃費の増大を憂えるのなら、この期に、より効率のよい発電に切り替え、新エネルギーの伸長に資するべきである。
安全審査を急がせ、再稼働を目論んでいるが、たとえ規制基準をクリアしても、それは安全の担保とはなり得ない。規制委員会そのものに信頼性がないからである。規制基準を作った委員や規制委員の中には、いわゆる「原子カムラ…㊟原子力村」からの貢献を受けた人々がいる。政権の意向を受け、客観性が疑われる判断が下される可能性は大きい。
再稼働の条件として、自治体の原子力防災計画の整備が必要であるが、避難計画の現実性の乏しさ等、困難をきわめている。テロ対策についても現実味がない。現状では福島原発事故を教訓としているとは言い難い。