【まとめ】
本サイトが予想する首都圏M8クラスの巨大地震による震災地震
本サイト浅間山山麓の長野県軽井沢観測点(以下、軽井沢)と千葉県九十九里浜観測点(以下九十九里浜)の大気中ラドン濃度(以下、ラドンガス)の7年間(2017-2022年)の観測とラドンガス変動の特徴

下図に、7年間の両観測点のラドン変動を示した。

 

 

7年間のラドンガス変動を総じていえば、2018年房総沖スロースリップ(巨大地震の引き金)からラドン異常が始まり、3年後の2020年6-10月にそのピークとなる。その時期に同期して、神奈川県で、「ガス臭い、ゴムの焼けたようなにおい、硫黄臭い等」の異臭が報告された。相模トラフの巨大地震:大正関東大震災直後の調査では、神奈川県三浦半島の二箇所で「ガス噴出」が確認されている。その後、10か月間のラドンガス静穏期を経て、巨大地震発生に向けて、2022/3/31以降、九十九里浜のラドンガス異常が連日継続し、凡そ6か月間継続中。東日本大震災前の2010年ラドン異常と同期間となる。

ところで、相模トラフの巨大地震は、1923/9/1大正関東大震災型と1703/12/31元禄地震型が交互に発生する。次は、元禄地震型で、最近の研究では、発生間隔が500年といわれており、すでに、500年を経過した。元禄地震発生時には、浅間山が噴火している。
今回の観測で、軽井沢のラドンガス異常のピーク濃度は、九十九里浜のピーク濃度の倍以上となった。現状の浅間山山麓の軽井沢の突出したラドンガス異常は同時期に浅間山が噴火した元禄地震型巨大地震発生を示唆しているのかもしれない。元禄地震の割れ残りがある房総半島南東沖巨大地震が注目される。
次回は、房総半島南東沖巨大地震による揺れと津波のシミュレーションを示します。

【内容】
1,九十九里浜のラドンガス異常(+3シグマ以上)は、2018年6月の8回目の房総半島沖スロースリップ(ゆっくり地震)発生時から始まった。 ※房総半島沖スロースリップは1983年、1990年、1996年、2002年、2007年、2011年、2013-2014年にも観測された。

2,巨大地震の引き金になるといわれているスロースリップ終了後から、九十九里浜ラドンガス異常は、さらに、ウルトラ異常濃度を極め、2840ベクレル(以下Bqと略す):2018/8/14、1637Bq:2018/10/1、1684Bq:2018/10/1、2077Bq:2019/7/9、1546Bq:2019/10/14、1522Bq:2020/7/7をピークとする大きな変動を断続的に続け、2020/9/29に7年間の最高値3262Bqを記録した。

3,九十九里浜ラドンガス異常の6回目のピーク2020/7/7。その前に、2020/6/25:千葉県東方沖地震M6.1が発生した。この地震領域には、大正関東大震災1923/9/1前震M7.1:1923/6/2が発生している。

4,一方、軽井沢では、2020年7月にラドンガス濃度が急上昇し、2020/7/27には、超ウルトラ異常の7077Bqの最高値を観測した。

5,軽井沢と九十九里浜のラドンガス異常が7年間で、最高値となった2020年6-10月。神奈川県横須賀市、三浦市、横浜市等で、「ガス臭い、ゴムの焼けたようなにおい、硫黄臭い等」の異臭が報告された。別の記事から引用します。
https://www.iza.ne.jp/article/20201014-EGGDSW3PIFIS5FHJVLAROTBNII/

大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災の直後におこなわれた海洋調査で、震源地に近い三浦半島周辺で「ガス発生」が確認されていた
『大正震災志』所収の「大正十二年九月一日大震後相模灘水深変化調査図」には、三浦半島の「浦賀」付近、現在の横須賀市観音崎や鴨居地区周辺の沖合に《瓦斯(ガス)噴出》、南端の「三崎」付近、現在の城ヶ島東部の沖合にも《一時瓦斯噴出ス》と記述がある。今回、異臭で通報があった地域と重なっている。ガスの噴出が震災の前か後かについての明示はないが、立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏は、「海溝型地震の前後でこうした現象が起きるといえるのではないか」との見解を示す。
 1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災の直前に異臭があったとする文献もある。大阪市立大名誉教授で地質学者の弘原海(わだつみ)清氏が住民の証言を集めた『阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分 前兆証言1519!』(東京出版)では、宝塚市のエンジニアによる《前夜7~8時、汚物と漬物が腐ったようなガスの臭いがした》との証言が紹介されている。《居間(12畳洋間)の床下から臭ってきたとしか思われません》などとしている。
 弘原海氏の別の著書『大地震の前兆現象 空が、大地が、動物が異常を発信する』(河出書房新社)では、国立大学が共同で実施した神戸市灘区での測定で、《1994年10月末から、それまで計測されたことのない高濃度のラドン値が測定された。ラドン濃度は年が明けて1995年の1月に入っても増加しつづけ、1月8日には平常値の10倍以上という最高値に達した》という。
 前出の高橋氏は「今回の異臭の原因は不明だが、ラドンであれ、圧迫されて出た天然ガスであれ、岩石がこすり合って出る焦げたような異臭であれ、地殻変動に関わる可能性がある。異臭自体に焦点を当てるより、5月に起きた東京湾の群発地震など海溝型地震の前の兆候とみられる一連の現象の一部と見た方がよい」と強調した。

6,関東の大地震発生時には、火山活動活発化が先行するといわれる。今回も2021/8/13、福徳岡の場で大噴火が発生。

7,2021年8-9月、眠りから覚めた長野県軽井沢と千葉県九十九里浜のラドン異常。この収束後、2021/10/7:千葉県北西部地震M5.9:震度5強が発生した。

8,2022/3/31以降、九十九里浜のラドン異常が連日継続し、凡そ6か月継続中。東日本大震災前の福島医科大学観測の2010年ラドン異常と同期間となる。

9,7年間のグラフを総じていえば、2018年房総沖スロースリップからラドン異常が始まり、3年後の2020年にそのピークとなる。その後、10か月間の静穏期を経て、巨大地震発生に向けて、再度、ラドン異常が継続中。