↓少し長いです少し記事を足しました(7/18 12.00)
今日は市内で開催された「藤袴に含まれる芳香成分の検索とその利用」という講演に参加しました。
近畿大学の駒井功一郎名誉教授による
フジバカマの花、茎葉、根に含まれる芳香成分と、化粧品や食品などへの利用を考えて、保湿、美白、抗酸化活性を調べた結果の発表でした。
フジバカマと聞いて、いちばんに思い出すのはやはり井上重治先生。
事前に、井上先生の本をもう一度読んでから参加しました。
驚いたのは、芳香成分の種類の違い。
井上重治先生(秩父産)と、今回駒井先生(京都産)が調べられたものとでは大きく違うこと!
でもどちらもフジバカマ(Eupatorium japonicum)。
フジバカマは交雑が激しくて変種が多様。
大きく分けると、野生種と、園芸種(園芸店などで販売されていて、多くはサワヒヨドリとの交配種)に分けることができるものの、
野生種も、交雑がしやすくてその系統を辿るのはとても難しいことなのだそうです。
井上先生が発表されている、花部に含まれている保湿成分タラキサステロールも
今回は検出できなかったとのこと。
いろいろ伺っていて思ったこと。それは化粧品原料にするのは難しそうということでした。
現在のところ、フジバカマは花、茎葉共に精油も芳香蒸留水も化粧品原料のリストには入っていません。
つまり厳密には市販の化粧品原料には使えないのです。
葉の芳香蒸留水はクマリンが含まれていて香りが良いので少し残念。
ただ、交雑しやすいというのは私自身も実感しています。
今、育てているフジバカマは2種類。
水尾からいただいたもの(クローン)と、その種子をとって育てているもの。
どこでどう交雑したのか、この2つは私が見てもわかるくらいに姿に違いがあるのです。
フジバカマの芳香蒸留水は香りが良いだけではなく、使用感も良いので、今年も蒸留をして、個人で使って楽しもうと思っていますが、
これだけ構成成分にばらつきがあることを考えると、アロマテラピー的にはフジバカマからはちょっと距離を取らざるを得ないかなと思いました
もしくは、クロモジ精油と同じように、フジバカマ芳香蒸留水も成分分析をして、違いをわかって使うというのはありですね
でも、今日は、いちばん外出してはいけない暑すぎる時間帯13時〜15時にもかかわらず、
京都でのフジバカへの関心の高さがうかがえるほど、高齢の方も含めてたくさんの人が集まっていてびっくり。
「令和」の名前の元になった和歌にも出てくるフジバカマは、
平安期にはすでに「蘭」と呼ばれ、その香りが愛され、薬効もある植物として長く親しまれてきました。
準絶滅危惧種でもあり、その中でも京都で大切に育てられ、現在も種の保存のために
さし芽をしてクローンを増やし続けている原種保存活動には、機会を見つけてまた参加したいと思いました。
そして、今日は初めてフジバカマ(Eupatorium japonicum)の花の精油の香りを体験しました(超貴重!)。
メチルチモールが主成分とか。
確かに、タイム.チモールに似ていました。
この香りが消えないうちにお目にかかれた方々には、香っていただきたいと思っています
長くなりましたので、今回の分析、花の芳香成分や芳香蒸留水の成分については、また改めてアップします。
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