2024.03.27

モスクワ近郊での虐殺事件後、ロシア軍はウクライナのテロ機関本部などを攻撃 

 モスクワに近いクラスノゴルスクにあるクロッカス・シティ・ホールが襲撃され、約140名が殺されたテロ事件で、銃撃犯の4名を含む11名がウクライナに近いブリャンスクで拘束されたと発表され、その際の映像も公開されているが、本ブログでもすでに触れたように、自動小銃を乱射した襲撃犯のひとりは現場で観客に拘束されている。この点をCIAの元分析官であるラリー・ジョンソンは指摘していた​。当初、11人の中に含まれていると考えていたのだが、全員、ブリャンスクで逮捕されたとされている。そうなると計算が合わない。

 

 実行グループはダーイッシュ-ホラサン(IS-KP、ISIS-K)に所属、ウクライナ政府は無関係だと宣伝されている。9/11の時と同じように、事件の詳細が不明な段階でアメリカ政府はISIS-Kの犯行だと断定、ISIS-Kは犯行声明を出しているのだが、それを裏付ける証拠はない。これだけ短時間に事件の内容を把握できるはずはないのだ。事前にシナリオができていたのでない限り、こうした発表をできるはずはない。

 

 アメリカの国務省は事前にロシアへ警告したとしているようだが、駐米ロシア大使館側はアントニー・ブリンケン国務長官からこの件について説明を受けず、駐露アメリカ大使館はロシア側に情報を伝えてもいない。しかもNSC(国家安全保障会議)のジョン・カービー戦略広報調整官はウクライナ人が関与したという「兆候は見られなかった」と述べ、テロ事件に関する捜査に関してアメリカはロシアに協力しないとしている。アメリカ政府はすでに義務を果たしたというのだ。

 

 拘束された襲撃の「容疑者」はテレグラムを通じ、50万ルーブル(約80万円)で雇われたと証言している。本ブログでは繰り返し書いてきたように、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュはアメリカなどが使っている傭兵だ。この武装集団がイスラエルを攻撃しない理由はそこにある。

 

 襲撃グループを雇った人物はサーモン・クラサニ。この人物はCIAとダーイッシュ双方と緊密な関係にあるという。また襲撃犯の一部はラーナモ・バ・フローソンというチャットルームでインターネットを利用した「洗脳」を受けているとも報道されている。

 

 ​イギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックは05年7月、「アル・カイダ」について、CIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだと説明している​。この仕組みが作られたのはアメリカがアフガニスタンで工作に利用するため。アラビア語でアル・カイダはベースを意味し、データベースの訳語としても使われる。西側ではシティ・ホールを襲撃したのはISIS-Kだと宣伝しているが、これは傭兵集団なのであり、雇い主を特定しなければ意味がない。

 

 このテロ事件ではアメリカ側に奇妙な言動が見られる。例えば、統合参謀本部議長を辞めて間もないマーク・ミリーの昨年12月4日における発言。ロシア人は夜中に喉を切り裂かれるのではないかという心配で眠れなくなると語っている。

 

 国務副長官代理を務めていたビクトリア・ヌランドは1月31日と2月22日、ウラジミル・プーチン露大統領はウクライナの戦場で驚きに直面するだろうと発言、ブリンケン国務長官は3月5日に彼女の「退任」を発表した。

 

 3月7日から8日にかけてアメリカとイギリスの駐露大使館がモスクワでテロの可能性があるとすると警告、18日にはバラク・オバマ元米大統領が突如ロンドンを訪問し、リシ・スナク首相やキア・スターマー労働党党首と会談、そして3月22日の襲撃だ。

 

 事件後、日本の某大手放送局のキャスターは「自作自演仮説」を口にしていたが、ウクライナの情報機関GURも同じことを主張していた。状況から考えて可能性はゼロに等しいのだが、もし容疑者が逃亡に成功していたなら、西側でそうしたプロパガンダが大々的に展開されていた可能性がある。

 

 SBU(ウクライナ安全保障庁)は2014年2月のクーデター以来、CIAの下部機関として個人に対する破壊工作を担当している。3月25日から26日にかけてロシア軍はドローンやミサイルでキエフ、オデッサ、ミコライフ、ケルソン、ザポロジエの軍事施設、主要インフラ、飛行場が攻撃されたと伝えられている。その中にはキエフにあるSBUの本部も含まれているという。

 

 キエフの場合、極超音速のジルコン・ミサイルも使われ、防空サイレンが鳴ったのは攻撃の後だったという。言うまでもなく、ウクライナだけでなく西側にはこのミサイルを迎撃する能力はない。



モスクワ近郊での虐殺事件後、ロシア軍はウクライナのテロ機関本部などを攻撃 | 《櫻井ジャーナル》 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

 

ロシア軍が「ウクライナの意思決定センター」を攻撃

 

 

この「意思決定センター」というのが、調べてもよくわからなくて、政府の意志決定の本部なのか、軍の意志決定の本部なのかがわかりませんが、モスクワでのテロ後のここ数日、ロシア軍の攻撃は熾烈になってきています。


ロシア軍、ウクライナの意思決定センターを攻撃-国防省

Sputnik 2024/03/26

Russian Forces Hit Decision-Making Centers in Ukraine – MoD

ロシア国防省の報告によると、過去24時間にわたり、ロシア軍は意思決定センター、ウクライナ保安局(SBU)の施設、ウクライナの防衛産業企業を標的とした精密攻撃を実施した。

これらの攻撃の目的は、すべて達成された。

ロシア国防省は 3月26日、ロシア軍がミサイルや無人機によるウクライナの意思決定センターや軍事施設への大規模な攻撃を開始したと発表した。

「過去24時間にわたり、ロシア軍は、意思決定センター、ウクライナ治安機関の施設、軍産複合体に対して、高精度の長距離海・陸兵器と無人航空機による大規模な攻撃を開始した」

「施設だけでなく、ウクライナの国家組織や外国人傭兵の所在地も含まれている」と同省は声明で述べ、すべての目標が達成されたと付け加えた。

ロシア国防省によると、ウクライナは過去 24時間にドネツク方面で 425人以上の兵士を失った。

ロシア軍はドネツクとアヴデエフカ付近で有利な陣地を確保した。同省は声明で「ウクライナ軍は(ドネツク地域で)425人以上の軍人、装甲戦闘車両 2台、車両 7台を失った」と述べた。

同省はまた、ウクライナ軍はアヴデエフカ付近で最大 280人の兵士を失い、南ドネツク方面では最大 105人の兵士を失ったと付け加えた。

ロシア軍が「ウクライナの意思決定センター」を攻撃 | BrainDead World (nofia.net)

 

2024.03.28

コンサート・ホール襲撃で西側が犯人役に知っているダーイッシュは西側の傭兵 

 クロッカス・シティ・ホールが襲撃され、140名以上が殺されたテロ事件の背景が徐々に判明してきた。ロシアの監視網を逃れ、武器を調達するためには西側の情報機関が必要で、逃走ルートも綿密に計画されていたようだ。

 

 すでにロシア側はウクライナの役割を指摘しているが、ウクライナの情報機関GURや治安機関SBUは2014年2月以降、CIAの指揮下にあるほか、イギリスのMI6(SIS)も大きな影響力を持っている。アメリカの元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターによると、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はイギリスの対外情報機関MI6の命令で動いている。

 

 アメリカのCIAとイギリスのMI6は、いずれも金融資本との関係が深い。両機関を誰が作り上げたのかを調べれば、金融資本との関係は容易に理解できるだろう。

 

 MI6が創設されたのは1909年。本ブログでは繰り返し書いてきたように、第1次世界大戦にロシアを引きずり込むために有力貴族のユスポフ家との関係を築き、戦争に反対していたグリゴリー・ラスプーチンを暗殺している。暗殺犯はフェリックス・ユスポフだとされているが、止めの弾丸を発射したのはユスポフとオックスフォード大学でルームメートだったオズワルド・レイナーだった可能性が高い。勿論、レイナーはMI6の工作員だ。

 

 ロシア工作を進めていたイギリス外務省は1916年にサミュエル・ホーアー中佐を責任者とする情報機関のチームをペトログラードへ派遣したが、そこにはユスポフ家の宮殿で生まれたというスティーブン・アリーやレイナーが含まれていた。(Joseph T. Fuhrmann, “Rasputin,” John Wiley & Son, 2013)

 

 イギリスでは1940年、ウィンストン・チャーチル英首相の命令で破壊活動を担当するSOE(特殊作戦執行部)を創設している。「ベーカー街の不正規兵」とか「チャーチルの秘密軍」とも呼ばれていたが、この組織も金融資本との関係が深い。チャーチルはロスチャイルド金融資本と関係が深いが、1942年からSOE長官を務めたのはハンブロー銀行のチャールズ・ハンブローだ。

 

 1942年にアメリカではイギリスのアドバイスに従い、戦時情報機関としてOSS(戦略事務局)が設置され、ウォール街の弁護士だったウィリアム・ドノバンが長官に就任した。アメリカ版SOEとしてOSSの内部にSO(秘密工作部)を設置、ドノバンは弁護士仲間のアレン・ダレスをその責任者に据えている。ダレスがウォール街で親しくしていたひとりがプレスコット・ブッシュにほならない。

 

 ところで、MI6の正式名称は「秘密情報局(SIS)」である。イスラエルの情報機関「モサド」をイギリス式に表記するとISISだが、現在、「ISIS」と書くと、それはダーイッシュを意味する。

 

 クロッカス・シティ・ホールのテロ攻撃を実行したのはダーイッシュ-ホラサン(IS-KP、ISIS-K)だと西側では宣伝している。9/11の時と同じように、事件の詳細が不明な段階でアメリカ政府はISIS-Kの犯行だと断定したのだ。ISIS-Kは犯行声明を出しているが、それを裏付ける証拠はない。

 

 ダーイッシュのデビューは2014年のことだ。その年の1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にはモスルが制圧された。その際にトヨタ製小型トラック、ハイラックスの新車を連ねたパレードが行われ、その画像が世界に流された。こうした戦闘集団の動きをアメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などで知っていたはずだが、反応していない。

 

 そうした武装集団の出現をアメリカ軍の情報機関​DIAは2012年8月の時点でホワイトハウスに警告していた​。オバマ政権が支援している反シリア政府軍の主力はアル・カイダ系武装集団のAQI(イラクのアル・カイダ)で、アル・ヌスラと実態は同じだと指摘、その中心はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団だとしているのだ。2012年当時のDIA局長はマイケル・フリン中将である。






 

 報告書の中で、オバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告、それがダーイッシュという形で現実になったわけだ。そしてダーイッシュは残虐さを演出、アメリカ/NATOの介入を誘ったわけだが2015年9月にシリア政府はロシア政府に軍事介入を要請、ロシア軍がダーイッシュなど傭兵部隊を一掃していく。

 

 ダーイッシュもアル・カイダ系武装集団も傭兵だという点で同じ。リビアの戦闘で地上部隊の主力として活動したLIFGはアル・カイダ系だが、1996年の段階でMI6の手先として活動していたとする証言がある。

 

 この年、LIFGはムアンマル・アル・カダフィの車列が通りかかるタイミングで爆弾を炸裂させたのだが、失敗している。この事件に絡んでカダフィ政権はオサマ・ビン・ラディンに逮捕令状を出したが、MI5(イギリスの治安機関)の元オフィサー、デイビッド・シャイラーは暗殺計画の黒幕をMI6だと語っている。協力関係にあったLIFGへMI6が資金を提供したというのだ。

 

 LIFGとアル・カイダとの関係はカダフィ体制が倒された直後に広く知られるようになった。反カダフィ派の拠点だったベンガジはアル・カイダ系武装集団の拠点でもあり、カダフィ体制が倒された直後には裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられたのだ。この様子を撮した映像はすぐにユーチューブへアップロードされ、イギリスのデイリー・メール紙も大きく取り上げている。(Daily Mail, November 2, 2011)

 

 カダフィ体制を倒した後、アメリカなど侵略国は戦力をシリア攻撃に集中させるが、シリア軍は手強い。そこでバラク・オバマ政権は傭兵部隊への支援を強化するのだが、そうした行為は危険だとDIAが警告したのだ。

 

 ちなみに、アル・カイダは1970年代にズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで始めた秘密工作の一環として創設された。​イギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックは05年7月、「アル・カイダ」についてCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだと説明している​。

 

 コンサート・ホールの襲撃は西側の情報機関が協力しなければ実行できなかっただろうが、西側が責任を押し付けようとしているダーイッシュは彼らの手先なのである。



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2024.03.29

モスクワ近郊のテロ事件でロシア当局は犯人の携帯電話のデータを利用して追跡 

 

 クロッカス・シティ・ホールに対する3月22日の襲撃では銃撃と放火で140名以上が殺され、4人の実行犯がウクライナに近いブリャンスクで逮捕された。アメリカの元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターによると、ロシア当局は襲撃現場で実行犯の携帯電話を回収、そこに記録されていたデータを利用して追跡、ウクライナで実行グループと連絡を取り合い、逃走を支援していた共犯者も特定したという。

 

 実行犯に居住場所や移動手段を提供していたモスクワの支援網関係で11名、今回のテロ事件のためにトルコで戦闘員を募集、訓練、兵站を準備するなどしていた40名も逮捕されたという。そしてSBU(ウクライナ安全保障庁)のバシーリー・マリューク長官に関しても逮捕令状を発行できるだけの証拠があるともいう。

 

 すでに本ブログでも書いたことだが、SBUはGUR(国防情報総局)と同じように、2014年2月にクーデター体制が成立して以来、アメリカのCIAの指揮下にあり、イギリスのMI6(SIS)からも大きな影響を受けているSBUがテロの指揮系統に入っているということは、必然的にアメリカやイギリスの情報機関が関与していることを意味する。

 

 アメリカ政府をはじめ、西側ではウクライナ政府は無関係で、実行したのはダーイッシュ-ホラサン(IS-KP、ISIS-K)だという宣伝が繰り広げられているが、本ブログでもすでに書いたように、​この武装集団はアメリカやその同盟国によって使われている傭兵の集まり​で、カルトの信者ばかりではない。今回の実行グループはウクライナへの逃走を図っている上、シャハーダ(信仰告白)の際に左手を使うというイスラム教徒ならありえない行動も確認されている。

 

 アメリカ政府の動きも奇妙な点が指摘されている。例えば3月7日にアメリカの駐露大使館はモスクワでテロの可能性があるので、48時間、大きな集まりに参加しないようにとすると警告を出している。つまり、この警告は3月9日で期限切れ。もし危険な状態が続いているとアメリカ政府が判断しているなら、公式ルートを利用して新たな警告を出す必要があったはずだ。


 

 アメリカ側からロシアに対する挑発的な発言もあった。例えば、統合参謀本部議長を辞めて間もないマーク・ミリーの昨年12月4日における発言。ロシア人は夜中に喉を切り裂かれるのではないかという心配で眠れなくなると語っている

 

 また、国務副長官代理を務めていたビクトリア・ヌランドは1月31日と2月22日、ウラジミル・プーチン露大統領はウクライナの戦場で驚きに直面するだろうと発言、アントニー・ブリンケン国務長官は3月5日に彼女の「退任」を発表した。ヌランドは責任を回避するために逃げたのか、ヌランドたちのテロ計画を察知した政府の誰かが解任したのか、あるいは別に理由があるのか、不明だ。

 

 ウクライナでの戦闘でアメリカ/NATOが使ったネオ・ナチ軍はロシア軍に負けた。さらに戦いを続けたいなら、NATO軍をウクライナへ侵攻させるか、​米英情報機関が第2次世界大戦後に築いた破壊工作を目的とした秘密組織のネットワークを使う​しかなかった。別の地域へ戦乱を広げる手もあるが、可能性が高いのは東アジアだ。

 

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3月22日に実行されたクロッカス・シティ・ホールに対するテロ攻撃を実行したグループは、3月8日にイスタンブールからモスクワへ戻っていたことが判明しました。

 

 アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は3月5日、ビクトリア・ヌランド国務次官が数週間以内に退任すると発表し、3月7日から8日にかけてアメリカとイギリスの駐露大使館はモスクワでテロの可能性があるため48時間は大きな集まりに参加しないようにと警告していますが、「奇妙な符合」だと言えるでしょう。

 

 ロシアでは3月15日から17日にかけて大統領選挙が実施されました。その前に攻撃を予定していた可能性が指摘されています。ロシアの大統領選挙を吹き飛ばしてしまおうということになるでしょうが、選挙前は警戒が厳しいために断念したのかもしれません。

 アメリカ政府の作戦中止命令に背いてテロ攻撃を実施したと推測する人もいます。その推測が正しいならば、テロ攻撃の黒幕にとってクロッカス・シティ・ホールの事件はロシアだけでなくアメリカでのクーデターでもあるでしょう。

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2024.03.30

米英との戦争を覚悟したと見られるロシアの情報機関トップが朝鮮を訪問した意味 

 

 ロシアのセルゲイ・ナルイシキンSVR(対外情報庁)長官は3月25日から27日にかけて朝鮮を訪問、同国の李昌大国家安全保衛相と会談したという。敵対国によるスパイ活動や破壊工作に対処する方策について協議したようだ。軍事的な緊張が東アジアで高まっている中、昨年9月11日に朝鮮の金正恩労働党委員長はEEF(東方経済フォーラム)へ出席するためにウラジオストクを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領とも会談して関係の強化をアピールしている。

 

3月22日のクロッカス・シティ・ホールに対するテロ攻撃では襲撃グループの携帯電話を早い段階で回収できたこともあり、逃走経路だけでなく、支援システムや指揮系統も明らかにされつつある。3月26日にはロシアのFSB(連邦安全保障局)のアレクサンダー・ボルトニコフ長官はメディアに対し、クロッカスのテロ攻撃にはアメリカ、イギリス、ウクライナが関与していると語っている。アメリカとイギリスの名前を口にしたということは、アメリカやイギリスとの戦争をロシアは覚悟したのだと考えられている。ナルイシキンの朝鮮訪問はそうした流れの中での出来事だ。

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2024.03.31

 

コンサート・ホール襲撃犯へウクライナから資金が流れていることを示すデータ 

 

 モスクワ近くのクラスノゴルスクにあるクロッカス・シティ・ホールが3月22日に襲撃され、銃撃と火災で140名以上が死亡した。ホールで観客を自動小銃で殺傷した4名を含む相当数の共犯者がロシア国内だけでなく、トルコやタジキスタンで逮捕されている。

 

 ​ロシア国家反汚職委員会のキリル・カバノフ委員長によると、実行グループが残したデータは、彼らがウクライナの特殊部隊/ネオ・ナチと連絡を取り合っていたことを示している​ようだ。それが事実なら、自動的にアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6につながる。本ブログでは繰り返し書いてきたことだが、西側が犯人として扱っているダーイッシュ-ホラサン(IS-KP、ISIS-K)は他のイスラム系武装集団と同じように、CIAやMI6の傭兵だ。

 

 こうしたイスラム系武装集団の仕組みは、1970年代にズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで始めた秘密工作にともない、築かれた。イギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めた​ロビン・クックは05年7月、「アル・カイダ」についてCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだと説明​しているなお、クックはこの指摘をした翌月、保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて59歳で死亡した。

 

 ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)もこの仕組みから生まれた武装集団。

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