保健師のめぐみです。


 

 

 

 

あなたは乳がんの検診を受けたことがありますか?

 

 

 


40代の女性から

「乳がん検診のことで聞いて頂きたくなりコメントしました。」

というメッセージをいただきました。



いただいたメッセージ

 

 



『めぐみさん 

いつも色々な記事を載せてもらいありがとうございます。
とても参考になっています。


今回は乳がん検診のことで聞いて頂きたくなりコメントしました。

●日、自治体の乳がん検診を受けてきました。

1年おきにマンモグラフィ検査とエコー検査が実施される仕組みで、今年はエコーでした。


そのエコー検査の際に気になったのが、
技師さんが、右の胸に比べ左の胸に時間をかけて見られてた事です。


右胸の時はさっと終わりましたが、
左胸の時は技師さんの手が時々止まったり、撮影をしているようでした。
(ピーっという音声が何度も鳴っていました)

そのため左胸に何かが映ったのだろうと不安になりました。

帰宅してからネットで見ていると、
エコーに何か映るものがあったら
技師さんは画像化するのが役割だし、
エコーは良性のものも移りやすいのであまり気にしないでいい 
という書き込みも多いものの、やはり気持ちはモヤモヤしています。


今まで乳がん検診だけでなく、
他の健康診断でも再検査になったことが一度も無いので(有難いことですよね)、

今回そうなったらまた不安になるだろうなと、
まだ結果もきてないのに心配になってます。

小心者ですね。

結果は1ヶ月くらい先なので、
それまでモヤモヤは続くと思いますが

考えてもストレスになり身体に悪いので気にしないようにしないと とは思ってます。

めぐみさんさんはお仕事で検診の事も色々ご存知かなと思いコメントさせて頂きました。』
 

 

 

 

 

 


いつもお読みくださりありがとうございます。



定期的に自治体の乳がん検診を受けているのは
すばらしいですね。


定期的に受けているからこそ、
今回のようにエコーの検査で

いつもとちがった技師さんの検査の仕方にも気づけているのだと思います。


胸のエコー検査で、

「右胸の時はさっと終わりましたが、
左胸の時は技師さんの手が時々止まったり、撮影をしているようでした。」



ということなら、

私が同じ体験をしても、
「左胸のほうがなにかあったのかな…」
と気になってしまうだろうと思います。


だれでも思うことですからおかしいことではないですよ。

 

 



私は乳がんの検診の仕事をしていたことはありますが、
どちらかというとまとめ役であって、

検査そのものを実行しているのは、
医師(触診)や臨床検査技師さん(エコーとマンモグラフィ)なのと、



自治体の集団検診の場合は、
個人のプライバシーを配慮して、
実際に検診をしている部屋にいるわけではないので、


臨床検査技師さんが、
どういった意図で検査をしているかというのは
そのときによってちがいます
から、

乳がん検診の結果でよくあるパターンもふまえて
推測できることをお伝えしますね。
 

 

 

 

 

 

 

臨床検査技師さんが、
エコーの検査であなたの左胸のほうだけ、
時間をかけて撮影していたということは、

「気になる点があるので、
病気じゃないかもしれないけど
念入りに丁寧に撮影しておこう」


という感じで検査を行っていたのだと思います。



胸の病気かどうかの判断は、
病院での精密検査で

血液検査や細胞診などをしてみないとわかりませんし、


病気の診断をするのは医師なので、


自治体の集団でやる乳がん検診の場で、
臨床検査技師さんが病気かどうかの判断をするわけではない
のです。



乳がんの検診で
エコーの検査の撮影を念入りにするのは、

あくまでも

「気になる点があるから、病気じゃないかもしれないけど
念のためにいろいろと撮影しておこう」


という意図であって、

それが病気かどうかは
その場の検査技師にも判断できることではありません。




たとえば、
乳がんの検診結果では、

【「石灰化」という判定でなので精密検査をしてください。】

というパターンがよくあります。
 

 

 

 

 

 


「石灰化」という判定結果は、
病気からくるパターンもありますが、


良性のパターンもあり、

私が乳がんの検診の仕事をしていたときは、
「石灰化」で精密検査をしてくださいという

判定結果だった女性のほとんどは、
「問題なし」の精密検査結果でした。



中には、毎回のように「石灰化」の結果になる女性もいて、
ご本人も「また、いつものかな」というふうに受けて止めていることもあります。


乳がん専門医が解説している
乳がんプラザのサイトによりますと、



「石灰化」の判定のうち乳がんがみつかるのは

1%以下だそうですので、
 

「石灰化の判定の女性が100人いたとしても、

99人は乳がんではない」ということになります。


 

 

 

 

 

 

 

 

 


胸の乳腺の中にカルシウムが沈着したものを石灰化といいまして、

乳腺症で石灰化が起きていることもありますし、
年をとる加齢によっても石灰化が起こるので、

年齢が高い女性だと、
乳がんの検診結果で石灰化の判定が出ることは少なくないです。




石灰化は胸だけではなく、
だれでも体のあちこちに起こる老化現象で、


肩の骨の石灰化で五十肩みたいな痛みが出たりすることもあります。



このように、

私たちの体はだれでも老化していくことで、
体の中でも老化からくる変化が起きてしまい、

その老化による体の変化が
乳がん検診にかぎらず、
いろんな検診の結果で「精密検査」の判定になってしまうこともある
のです。



検診をしている現場では、

「ちょっと気になる点」があっても、
それが加齢からくるものなのか、
病気からくるものなのかまではその場で判断できません
から、


「気になる点があるから、
病気じゃないかもしれないけど念入りに検査しておこう」


という流れで、
胸のエコーの検査などは時間をかけて検査することになります。



あなたの今回のエコーの検査で、
臨床検査技師さんが左胸だけ時間をかけていたのも、
おそらくはこういう背景があったのだろうと思いますよ。


では、

 

 

 

 

 

 

実際に乳がん検診で精密検査の判定になった場合、
どれだけの女性に乳がんが

見つかるのかデータをみていきますと、


実際に乳がんだった女性は

3.8%というわずかな数値です。



つまり、

乳がんの検診で精密検査という結果が出て
精密検査が必要な100人の女性の中で

乳がんが見つかるのは3-4人ほどということですから、

残りの97人ぐらいは、
精密検査の結果が乳がんではない
ということになります。



私が乳がん検診の仕事をしていたときも、
精密検査の結果になる女性は一定数いましたが、

その中で乳がんが見るかるのは1年に数人いるかどうかという割合でした。



ですから、

あなたの乳がん検診の
エコーの検査で左胸だけ時間がかかったとしても、

 

誰にでも起きやすい変化があっただけで
それが胸の病気とはかぎりません。



とはいえ、
気になるものは気になりますよね。


メッセージで、


「結果は1ヶ月くらい先なので、

それまでモヤモヤは続くと思いますが

考えてもストレスになり身体に悪いので気にしないようにしないと とは思ってます。」


というふうに思っていらっしゃるようなので、


おっしゃるとおり、

あまり気にしすぎると、
かえって体にストレスがかかってしまい、
体に良くありませんから、


あなたの大事な体をストレスから守るために、


ときめくものを眺めたり、
趣味の手芸をしてみたりと
気分転換をしてみてください。

 

 

 


前に教えていただいた、

趣味の手芸などは集中しやすいので
他のことを忘れやすくておすすめです。

 

 

そもそも一度しかない人生なのに、

胸の心配ばかりしながら過ごしていたらもったいないと思いませんか?

 

 

 

「今日という日」は二度とこないたった一日だけの日です。

 

あなたが一番若い日も「今日」です。


心配ばかり過ごしてあなたの貴重な1日を過ごすのと、

 

ときめくものを眺めたり、

好きなことをして過ごすのと、

 

どちらがあなたの体にとってやさしい1日になるでしょうか?






参考になったらうれしいです。





めぐみ




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私が監修した新しい生理の本が出版予定です!

 

 

 



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保健師めぐみが監修した
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