喜劇「にっぽんのお婆あちゃん」(1962年)@神保町シアターとギンレイホールの閉館 | ひなサロン~鳥さんが教えてくれる宇宙の法則の実践の仕方~

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久しぶりに神保町シアターで「にっぽんのお婆あちゃん」という映画を見てきました。
これは≪辛口喜劇のススメ≫という特集の中のひとつ。

 

 




出演者は北林谷栄、ミヤコ蝶々、飯田蝶子、浦部粂子、原泉、村瀬幸子、岸輝子、東山千栄子、
伴淳三郎、斎藤達雄、織田政雄、渡辺篤、殿山泰司、左卜全、中村是好、柳谷寛、沢村貞子、
十朱幸代、三木のり平、渡辺文雄、小沢昭一、渥美清、木村功ら。


音楽が「人造人間キカイダー」の渡辺宙明!!!
渡辺宙明さんは、今年96歳でお亡くなりになったけど
長きに渡って様々なジャンルで活躍されていましたね。
この映画でもとぼけた感じの音楽で内容にマッチしていた。


老け役オールスターズ総出演というふれこみだが加藤嘉や藤原釜足も加えて欲しかったなぁ(笑)



 
養老院『福寿園』を飛び出した北林谷栄がひょんなことから浅草で家出したミヤコ蝶々と出会う。
道中で飲食店の店員・十朱幸代や化粧品のセールスマン・木村功とちょっとした縁をもつ。


はじめこそ、自分を取り繕っていた老女二人だが互いに死に場所を探している身だとわかる。
北林谷栄は福寿園で和菓子を盗んだという疑いをもたれ遺書を小沢昭一に託して、
一方のミヤコ蝶々は息子渡辺文雄夫婦に邪険に扱われ大量の睡眠薬持参で家を出てきていた。


二人は夜の車道に飛び出して自殺未遂騒動を起こしたりと騒がしい。
老女たちの身を助けた警官柳谷寛に孫と間違えられる十朱幸代が若くて溌溂としていた。
浅草で掛け軸を売っていた三木のり平も若く見えた。


細くて弱弱しい印象の木村功はなんと最後にひき逃げされて死亡するというオチが付く。
死のうとした老婆二人よりもあっけなく死んでしまう。
”喜劇”というけれど、高齢化社会の今、身につまされ笑えない場面も多い。


確か設定がミヤコ蝶々65歳、北林谷栄72歳だったがすごい婆さんに見える!
ミヤコ蝶々はお肌のハリから”みうらじゅん”ではないが老けづくりしているのがわかるが
北林谷栄は自然な婆っぷりでプロ根性凄まじ過ぎ!


その分、養老院にいた原泉、飯田蝶子、浦部粂子、東山千栄子が可愛らしく見えた。
ここらへんの老け役女優達たち大人締めで抑えた演技してたから。
唯一、岸輝子は意地悪っぽいが。

養老院の長が田村高廣で彼を慕う従業員が市原悦子。
市原悦子も若くてプリッとしていて現代っ子そのものだった。
なんせ、養老院にいながら「まだ慣れなくて」と老人臭に悩まされているんだから。


神保町シアターで見た「淑女は何を忘れたか」の斎藤達雄がふくよかなおじいさんになっていた。
元医者だったのか「ドクター」と呼ばれているが最後は養老院というのがやるせねい。


見に行ったのが土曜日だったからか、若いお客さんもちらほら。
満席ではないが思ったよりも席が埋まってましたね。


これまた2016年に神保町シアターでみた「エロ事師たちより 人類学入門」もラインナップされていた。



さて、飯田橋にある映画館ギンレイホールが今月で閉館するのだという。
ずーっと行きたいなと思いながらも岩波ホール同様に未だに行ったことがない。
それでも閉館すると聞き残念に思い、最後は1度足を運んでみようかと考えて
いよいよ今週末あたりに行くことになりそうだ。