「クスリは飲んではいけない!」(船瀬 俊介著 徳間書店」より転載。


第三世代・抗うつ剤(SSRI) - 6~7割には無効


●薬物療法で、うつ病は治せない。

①「薬では病気は治せない」 ②「薬はすべて“毒”である」

③「毒作用で症状を抑制」 -  このクスリの三原則を思い出して欲しい。


だから薬物療法で、うつ病は治せない。 抗うつ剤も同じ。 ところが名前が「うつ」に

「抗する」「薬剤」なので、患者のほうはそれで、「うつ病が治る」と信じている。


それは、抗ガン剤はガンを「治せない」(厚労省技官)のに、「ガンを治す」と

錯覚しているのと同じだ。


精神科医も。抗うつ剤で「うつ病が治る」とは言わない。 「うつ病に、ともなう不安や

気分の落ち込みなどを軽くして、患者さんの回復を助ける」。


これが、抗うつ剤投与の根拠(言い訳)となっている。 しかし、現実にはこれら

向精神病薬による毒作用で 「不安」 「焦燥」 「怒り」 「吐き気」

「ふらつき」などに襲われる


気分の落ち込みを軽くするどころか、ひどくしている。 それが現状なのだ。

だから、うつ病は、なかなか治らない。 えんえん長引く。 それは病院で投与される

さまざまな、“薬剤”に依存する中毒患者となってしまうからだ。


たとえば「不安」…。 これが脳が感じるものだ。 その「不安」を軽くする…とは

脳の機能を薬物で、“操作”することに、他ならない。


●前世代の薬剤ではショック死も

うつ病の薬物療法の歴史は古い。


一九五○年代から、抗うつ剤はうつ病患者に処方されていた。 それら抗うつ薬は

「口が乾く」 「便秘」 「だるい」などの軽い副作用から 「排尿障害」 「心臓疾患」、

多量服薬すると 「心停止」 などで死亡するショッキングな副作用が秘められていた。


そうとうな薬剤犠牲者がいたはずだが、それが表沙汰になることは、いっさいなかった。

それは現在、毎年二七万人も “虐殺” している抗ガン剤と同じ。


さすがに、うつ病治療で、ショック死が続発しては、精神科医もメーカーもたまらない。


そこで、開発されたのが、第三世代と呼ばれる抗うつ剤だ。

「SSRI」 と呼ばれる向精神薬で、それは「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」と

いう長ったらしい英語の頭文字を綴ったもの。


一九九九年に四商品が医薬品「承認」された。 二○○○年には新薬「SNRI]

(セロトニン・ノルアドレンナリン再取り込み阻害薬)も登場。


効果は両者ほぼ同じ。 副作用は過去のショック死などの殺人的抗うつ剤に

くらべれば「少ない」がうたい文句。


この頃から「…うつ病は心の風邪…!」と気楽に医師に受診の呼びかける

マスコミ・キャンペーンが流されるようになった。


●毒作用で神経受容体をブロック

うつ病とは、そもそもどんな病気なのだろう?

「やる気がしない」 「生きているのが嫌に」 …などなど。 最期は自殺という

最悪事態にいたる例も少なくない。


脳内にはセロトニンなど多様な神経伝達物質が存在する。

それら神経細胞から放出されて、他の神経細胞の受容体に結合する。


こうして神経細胞間に情報を伝達している。 

うつ病患者は、これらセロトニン量等が減少している。 だから脳の活性も

落ち込んでいる。 


さらに受容体に結合しきれなかったセロトニン等は、放出した神経細胞に

戻って取り込まれてしまう。


「SSRI] など抗うつ剤は、これら「もどり」をブロック(阻害)して、情報伝達を

活発にすることを狙っている。 ただし、ブロック作用そのものが、神経細胞に

対する有毒作用であることを、忘れてはならない。


●禁断症状で「吐き気」「ふらつき」…

これら「第三世代」薬剤は徐々に服用量を増していく。 これは怖い。

“効果” が現れるまで二週間はかかる。


服用初期、増量時に、まれに副作用の「不安」「焦燥感」「怒りっぽさ」などの

症状がでる。これら不安定な精神状態は「アクチベーション・シンドローム」

(賦活症候群)という病名まで付けられている。 


「不安」をなくす薬で「不安」になる?! なんとも変てこで馬鹿馬鹿しい話しだ。

約三~四割りの患者には効果があるという。が、逆にいえば、六~七割には

無効ということ。


かれらには「不安」「焦燥」「怒り」などの副作用だけが襲いかかる。 患者にとっても

苦痛だ。 そこで「このクスリを辛いので、やめてください」と医者にたのむ。


すると答えは断固 “ノー” 。「服用中に急にやめると 『吐き気』 『めまい』

『ふらつき』 という『中断症候群』の症状がでます


もう、やめるにやめられない。 患者にとって 「進むも地獄」 「退くも地獄」 …。

これら「中断症候群」とは、はやくいえばドラッグ禁断症状そのものなのだ。


こうして患者は、中毒患者(ジャンキー)にしたてられていく。

この恐ろしい仕掛けに気づいている、うつ病患者や家族は皆無だろう。


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