食品には様々な栄養成分が含まれていますが、その成分の中には、健康増進作用が認められる成分を含むものも数多くあります。
そういった、「機能性」「健康への効果」を食品のパッケージなどで表示できる食品は、これまで、「トクホ(特定保健用食品)」と「栄養機能食品」に限られていました。
「トクホ(特定保健用食品)」は、健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品のことを言い、「栄養機能食品」は、一日に必要な栄養成分(12種のビタミン、5種のミネラル)の補給・補完のために利用できる食品のことをいいます。
「特定保健用食品(トクホ)」については、長期間の臨床試験などが必要で、そのための費用も場合によっては億レベルで必要となるなど許可のハードルが非常に高いため、その取得は事業規模の大きい食品企業などに限られていました。
そこで、消費者が、機能性のある商品を自ら選択できる幅を広げるため、平成27年4月に「機能性表示食品」制度が新しくはじまりました。
「機能性表示食品」は、「おなかの調子を整える」「脂肪の吸収をおだやかにする」など、健康の維持及び増進に役立つ食品の機能性を表示することができる食品で、科学的根拠に基づいた機能性を事業者の責任で表示できるという制度です。
届出することにより、例えば、「ルテイン」については、「目のコントラスト感度(色の濃さの判別力)をサポートすることが報告されている」、「GABA」については「事務的作業に伴う一時的な精神的ストレスを緩和する機能が報告されている」などの表記が可能となりました。
臨床検査のほか、文献による調査(研究レビュー)でも届出が可能となり、トクホ(特定保健用食品)に比べてその検証コストも安価で済むこともあり、平成27年度だけで300を越える商品の届出がされています。
商品を売る側にすると「他のメーカーの商品との差別化が図られる」「具体的にPRしやすい商品となる」、買う側にしても、「自分の体調に合った商品を選ぶことができる」など、双方にとってメリットの大きい制度となっています。
その成分の多くは一見耳慣れないことが多いと思われるかもしれませんが、実は身近な食物に含まれていることが多くあります。
例えば、「酢酸」は「肥満気味の人の内臓脂肪を減少させる機能があることが報告されている」とされていますが、実は酢酸は、「酢」に多く含まれる成分です。
「EPA・DHA」は「血中中性脂肪の上昇を抑えることが報告されている」とされていますが、ご存じのとおり青魚等に多く含まれている成分です。
トマトなどに含まれる「リコピン」は、「血中HDL(善玉)コレステロールを増やす働きが報告されている」、イチョウ葉に含まれるフラボノイド配糖体、テルペンラクトンは、「認知機能の一部である記憶力(言葉・物のイメージ・位置情報を思い出す力)を維持する機能があることが報告されている」とされています。
「ショウガ由来ポリフェノール(6-ジンゲロール、6-ショウガオールとして)」は、「寒い季節や冷房条件下において体温(末梢)を維持する機能があることが報告されている」、大豆に含まれる「イソフラボン」は、「成人女性の骨の成分維持に役立つ機能があることが報告されている」など、実は身近な野菜などにもともと含まれている成分を抽出した商品が多いのが特徴となっています。
その届出の内容を知ることで、普段何気なく食べている食材にも機能性のある成分が含まれ、また、その機能性の内容についても知ることができるのではないかと思います。
機能性表示食品を買って直接健康維持に役立てることももちろん大切なことですが、その原料となる野菜などに含まれる機能性を知ることで、普段の自分の食生活に役立てるきっかけにもなるかもしれませんね。