秋分の日の23日夜、奈良県生駒市の生駒聖天宝山寺で「生駒万燈会」が営まれた。参道には手作りの行灯約1000基や無数のろうそくの燈明。幻想的で温かな光に包まれる中、太鼓や箏曲の奉納もあって、境内は大勢の参拝客でにぎわった。

 午後5時前、満員のケーブルカーに乗って宝山寺駅で下車。石段にずらりと並ぶ行燈を眺めながら、境内の参道に向かった。
 行燈の1つに筆でこう書いたものがあった。「おてんとうさまの ひかりをいっぱい吸った あったかい 座ぶとんのような人」。えっ、どこかで聞いたような? そうだ! 相田みつを(詩人)の言葉だ。
 石段を上ること10分近く。ようやく大鳥居まで来た。かつて近鉄生駒駅前にあった一の鳥居だ。40年ほど前、駅前再開発に伴ってここに移設された。
 参道両側の燈籠には既に明かりが灯されていた。境内は参拝客で溢れんばかり。本堂の前では太鼓が打ち鳴らされ、法要が営まれた。
 法要が終わると、次は奥の院へのお練り。僧侶の後に手酌の燈明を手にした参拝客が続く。本堂脇のテント前にはその燈明を頂くため長蛇の列ができた。
 手酌燈明は長さ30cmほどの木切れの先に取り付けたコップ型の灯り。参道に並んでいるものと同じだ。私も1つ頂いて参拝者の後に続いた。
 奥の院の本堂周りにも図形を描くように燈明が並べられていた。奥の院まで足を運んだのは2年前2024年の8月以来。
 この後、再び太子堂、多宝塔を経て下山。多宝塔のそばから境内を見下ろすと、まるで不夜城のように光り輝いていた。
 境内に戻ると、本堂向かいの客殿から琴の音。三味線や尺八も加わって「千鳥の曲」や「ままの川」なども演奏された。
 この後は太鼓の演奏。耳の不自由な聾者でつくるグループとのことだが、そんなハンディを微塵も感じさせない息の合った演奏だった。
 日が落ち暗さが増すにつれ、行燈や燈明も明るさを増した。本堂前でもその灯りにカメラやスマホを向ける人が目立った。
 大鳥居の真下からも太鼓の音が聞こえてきた。演奏するのは「鳴神太鼓」。地元生駒を拠点とする人気グループだけあって、三重四重の人垣ができていた。
 大鳥居で頭を下げて帰途。腕時計を見ると午後8時近く。なのに、まだ続々と参拝客が参道を上がってきていた。