ゆっくりと明かるなってきた空、雲が多い、お日さまは顔を見せない。
昨夜、雨が降ったんですね。じっとりと外は濡れてる。
時折、裏山からチチチと虫の声が、、静かな朝です。
「ケンさん、おはよう」、田舎育ちのケンさんは虫の声で名前がわかりましたね。
東京のど真ん中で育った私、秋の虫が鳴いてる、、よ。
新聞を取りに行ったら、濡れた階段の上にいっぱいお花の咲きがらがおちていた。
ケンさんだったら、そぐ、その足てほうきを出してきましたね。
私は、その仕事、あんこに残しておいた、、。
今からラジオ体操です。しっかりと元気よくしますね。
そうして、今日のスタートを切ります。
元気なときのケンさんは、それから聖徳園の準備です。
カレンダーを見ます。新聞を見ながら、今日の月日と何曜日を確認します。
新聞に正解がありますよね。
朝ごはんが済んだら、「この服でいい」と、服装を見せにきます。
それから、連絡帳を何度も読みながら、自分も書きます
「今日もよろしくお願いします」と、私の代わりに、自分で書くようになりました。
それも、だんだん上手になり、年の終わりや新年のあいさつまで、書くようになりました。
聖徳園に通いだして、1か月後の暮の最後の通所日には、
「皆様、お世話になりました。ありがとうございます。これからも元気に行きます」と、、。
お正月休みの後には、
「皆様、明けましておめでとうございます。どうぞよろしくお願いします」。
パーキンソンの症状の波で、調子が悪く、書きたくない日もあったが、
2020/2/3、「朝ごはんをしっかり食べました。元気です」と、私の書いた連絡に付け足したり
2020/2/6、「朝ごはんをしっかり食べました。元気よくいきます」と書いてます。
きっと聖徳園で、「朝ご飯、すっかり食べた?」とか、「元気ですか?」と声をかけてもらっていたんですね。
こういう職員さんの姿勢ですね。仲良くなりたい、ほめられたい、そんな気持ちで書いていったんです。
利用者を見守る、あたたかい職員の姿勢が、彼のやる気に火をつけたんですね。