貿易に必要な韓国の銀行が発行する『信用状』(=貿易用の小切手L/C)を日本の銀行が保証しているが、これを止めれば韓国へ打撃を与えられるという話がでている。
しかし、この話は少しおかしい。
この話は、経済評論家の渡邉哲也氏から出た話のようだ。
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引用元:https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190708/pol1907080002-n3.html
日本政府、次は韓国を“金融攻め”か…反日暴挙の文政権に「厳格カード」 高橋洋一氏「日本はまだカードを温存している」
2019.7.8
・・・経済評論家の渡邉哲也氏は「韓国の通貨ウォンは国際通貨ではない。韓国の政府系銀行は財務状況も健全ではなく、信用度は低いとされる。そこで、韓国の銀行が発行する『信用状』(=貿易用の小切手)を日本の銀行が保証する枠を与え、間接的に支援している。そうした支援を打ち切ることも考えられる」と語る。
あくまで、韓国への「優遇措置」を取り消すだけである。・・・
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しかし、信用保証を行っているのは個々の銀行であり、
その保証を止めるか否かは、個々の銀行の判断による。
金融庁が直接、銀行に保証をやめろという権限はないという。
つまり、日本政府がこのカードを切ることはできないという。
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引用元:https://note.mu/okanenomanual/n/n88004a38a504
「ホワイト国除外」と「信用状」ー「輸出管理措置の見直し」についての誤解。
「ホワイト国除外」措置と「信用状」がどう関係してくるのか。「金融庁の指示(あるいは通達)で日本の銀行の韓国向け信用状の発行(あるいは保証)を廃止すべき」というような意見、コメントを見かけるが、これは誤解である。信用状取引に銀行が関わっているため所轄官庁が金融庁だと思うのかもしれないが、法的な根拠などを考えると無理がある。フローチャートに「金融庁 LC廃止? X 」と入れたのはそのため。
いささか実務上のやり取りがあった経験からいうと、(反社会勢力向けでもない限り)金融庁が直接銀行に貸出を止めろ、というような権限はない。むしろ考え方の基本になっているのは「優先的地位の濫用」の防止の方だろう。これはお金を貸している銀行が強い立場を悪用して、お金を借りている弱い立場の顧客に様々な見返りを強要することを禁ずるルール。この法の精神に立脚すれば、金融庁は日本の銀行が合理的な根拠も無く一方的に韓国に対し与信行為を止めることには、むしろ反対する立場ではないだろうか。
仮に銀行が韓国向けの与信を減らすことがあっても、それは韓国の格下げなどカントリーリスクが高まる局面だろう。それでも与信判断は原則銀行自身が業として為すもので金融庁は検査などで事後チェックする、との立場だ。
もっともM菱グループなどで傘下の企業が不当な差し押さえを受けて実損を被れば、グループの意志として傘下の銀行が金融的な措置を取ることは十分にあり得る。ただ、これもあくまで民間企業としての経営判断であるから、金融庁がとやかく口を挟む問題ではない。
*現在の財務省が「大蔵省」だった頃は、いわゆる「護送船団方式」で事前の通達や指示に銀行はみんな右へならえ、の時代があったので、そのイメージがまだ少し残っているのかもしれない。金融自由化後、金融行政の基本は事後チェック方式に移行している。・・・
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さらに、タダで銀行が保証するはずがないから、料金をとっているなら、商売を止める理由はない。
保証をやめるのは、韓国の銀行が潰れそうなときであろう。
日本の銀行がお情けでやってあげている保証が、
韓国への金融の制裁カードになるという文言は、心地よいが、
実際には、ありえない話だと思う。