リーバイス501XXの価格ってどう変わっていったの? | 自由が丘Denim Cellar.(デニムセラー)商品とトリビア

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自由が丘でジーンズメインのセレクトショップをしています。
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ここではジーンズの歴史や気がついたこと。面白いジーンズネタなども話ます

今日はちょっと数字で501XXを切ってみます。

1930年代
リーバイス501XXの価格は$1.85でした。
当時のアメリカ人の平均年収は大凡$1,000。
月収で$83ですから、501XXは月収に対して
2.22%です。
この時の501XXの日本価格は現代の価値で
大凡¥16,400の価値になります。

1946年ころ
リーバイス501XXの価格は$3.25になります。
当時のアメリカ人の平均年収は大凡$2,500。
月収で$208ですから、501XXは月収に対して
1.56%です。
この時の501XXの日本価格は現代の価値で
大凡¥13,000の価値になります。



戦後間もないこの時代、物資統制等もあり
この時の501XXの価格は抑えめの設定だった
ようです。
一般家庭の収入に対してリーズナブルに感じ
若者でも買いやすいアイテムとして浸透する
きっかけになったのではないでしょうか。

1960年代
リーバイス501XXの価格は$4.25です。
当時のアメリカ人の平均年収は大凡$4,500。
月収で$375ですから、501XXは月収に対して
1.13%です。

この当時日本の平均年収は¥363,600
月収で¥30,300。
当時のリーバイスは¥3,900で売られていたと聞きます。
月収に対して11.9%ですから当時、
アメリカ製ジーンズは高級で貴重だったんですね。

この時代アメリカ人の平均年収は1946年に比べ
1.8倍になっていますが、その一方で501XXは
1.3倍しか上がっておらず、この頃のアイテム
としてはジーンズはかなりリーズナブルな
アイテムだったのではないでしょうか。

当時おそらく他のアパレル商品に比べ
価格が上げにくくなっていたジーンズ。

競争力を持てないLeeやwranglerは程なく
大手アパレルメーカーに飲み込まれます。

一方でリーバイス社は1966年に総合アパレル
メーカーとしての脱皮を測るため大胆な
CIを行うわけです。

 

2015年には
リーバイス501XXの価格は$89.95。
アメリカ人の平均年収は大凡$52,000
月収で$4,330ですから、501XXは月収に対して
2.07%です。
直近の501の日本価格は¥9,140。
日本人の平均月収は¥439,166
日本でも501は月収に対して2.07%

ところが昨年(2022年)
アメリカでのリーバイス501XXの価格は$79.50。
アメリカ人の平均年収は大凡$58,000
月収で$4,830ですから、501XXは月収に対して
1.65%です。
直近の501の日本価格は¥14,300。
日本人の平均月収は¥337,500
日本での501は月収に対して4.23%

 

アメリカはインフレで日本は円安とはいえ
日本での501は近年また日本人にとっては高額になった感があります。

 

先進国として発展してきた日本。
ここ近年は経済の停滞、円安、物価上昇に見合わない年収の上がり幅
リーバイスで切り取ってもその部分が浮き彫りになった気がします。

時代の変遷をプライスで切り取ってみても
リーバイス社が変革するタイミングと
501XXの価値は連動していると思いました。

あくまで推論ですし、ひとつの切り口ですから
読み物として楽しんでもらえたらと思います^_^