水道とは関係ないですが、ごみ処理の方法もウガンダに来て驚いたことの一つです。
日本なら、ゴミ収集日に指定の場所においておけば収集者が持って言ってくれるのが当たり前。でもウガンダの田舎町には(いや、都会でも?)ゴミ収集車なんて走っていません。
じゃあゴミってどう処理するの?今回はウガンダのゴミ処理事情を紹介します。
自力で燃やす
ごみ処理のシステムや焼却炉がないンデジェでは、ゴミは自分で燃やすしかありません。ここ↓が僕のゴミ焼却炉。
風の影響を受けづらい木の洞の中で燃やします。多くの先生がここを使っているので、木は焼け焦げて真っ黒です。
街中では、その辺の道端でゴミを燃やしているのもよく見かけます。
もちろん分別なんて概念はないので、紙もプラスチックもペットボトルも、全部一緒くたに燃やします。多分、大量のダイオキシンが発生してしまっているでしょう。
学校にゴミ箱はあるけれど
これ↓は学校に設置されたゴミ箱。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230128/19/kenjiota-jica/fc/39/j/o1080072015235696981.jpg?caw=800)
最初に見かけたときは、「ゴミ箱が置いてあるなんてちゃんとしてる!」と思いました。
ですがこれ、ほとんどオブジェと化しています。先生も生徒もゴミ箱が近くにあってもその辺にポイ捨てするので…
また、リサイクルマークが書かれてはいますが、リサイクルなんてされません。最後は校舎裏に運ばれて盛大に燃やされます。学校中のゴミを集めて一気に燃やすので、かなり大きな炎が上がります。
リサイクル事情
燃やしているゴミの中にはペットボトルもたくさん含まれています。もったいない、リサイクルしないのかな、と思って現地の人たちに聞いてみたところ「リサイクルって何?」という人も…
大学生に聞くと、大学の研究室の一つでペットボトルを集めてリサイクルの研究をしているそうですが、まだまだ一般的ではないようです。
リサイクルといえば、以前こんな記事を読みました。https://www.gizmodo.jp/amp/2021/02/recycled-plastic-blocks-in-nairobi.html
これはケニアの記事ですが、環境にも発展のためにもいい、一石二鳥の素晴らしいアイディアだと思いました。
長坂真護展
少し前の話になりますが、日本にいる妹から「長坂真護展に行ってきた」と連絡がありました。これはガーナのスラム街に捨てられたゴミで作ったアート作品の展覧会。
日本を含む先進国が捨てた電子機器が集まってくるガーナのスラム街は、”世界最大級の電子機器の墓場”と呼ばれているそうです。
ゴミを埋め立てる場所がない日本は、発展途上国にお金を払ってゴミを引き取ってもらっているという話を聞いたことがあります。
僕たちが贅沢な暮らしをするために他国にゴミを押し付けている。この展覧会はこうした現状への問題提起なのでしょう。帰国後、また開催されたらぜひ行ってみたいと思っています。
まとめ
高性能な焼却炉がない国では、ゴミ収集をしても結局誰かが燃やすだけ。だからポイ捨てか、各自で燃やす方ががいい。この状況は理解できます。
特に生ゴミは、ポイ捨てしても土の地面に還るだけなので、むしろ効率がいい。
でもプラスチックはすぐには土に還らないし、各自が燃やして空気を汚すのも良くないような気がする。
でも昔は日本でも同じことが行われていたわけで、今のウガンダに「環境に良くないからやめろ」と言うのは筋が違う気もする。
焼却炉を作ってあげる?どこに、誰のお金で?立てたあとの運営費は誰が負担する?
ゴミを押し付けるのをやめる?そのためには電子機器をしょっちゅう買い替えるのをやめないといけない。
2年に一度スマホやパソコンを買い替えるのは我慢する?学校のICT化もゴミを増やすことに繋がるからやめる?でも消費が鈍れば経済も停滞して不景気になってしまう。それでも環境を優先できる?
ウガンダのごみ処理方法に文句を言うのは簡単。でも、ウガンダのせいにするだけでは全体としての問題は解決しません。
たかがンデジェのごみ処理の問題ですら、世界中に繋がっていきます。
何を優先するべきなのか?皆さんはどう思いますか?