2月11日、配属先の学校でテストが行われました。休校中に学んだ”はずの”内容についてのテストだったようです。

配属先は小学校ですが、日本で言うと中学校の定期テストのような形で行われていました。特別時間割が組まれ、一日中テストに取り組みます。

対象は5−7年生。他の学年は普通に授業をしていました。なので、テスト日とはいえ静かにはならず…幼稚園生たちの元気な遊び声が聞こえてきます。この元気な声はすごく好きだけど、テストを受けている子達は集中できるのかな?と、少し心配になりました。

たった1日のテストでしたが、色々と日本との違いが見えて面白かったので、ご紹介したいと思います。

  テストでもアフリカンタイム


写真は前日に受け取った、テスト用の時間割です。1教科2時間というハードスケジュール。小学生にここまでさせるのか!と驚きました。
 
そして開始が7時から。いつもは7:30から授業開始なので、いつもより早くなっています。これも大変だなぁ…と思って7時に学校に行ってみたのですが、なんと誰もおらず。先生すらほぼいない状態でした。

まぁそうだよね、と思って家に帰り(ムカつかなかったのは成長かアフリカ化の証か笑)、8時前にもう一度いくとようやく生徒も集まってきていました。

8時に合図がなり、1時間目開始。どうやら一時間遅れで実施することになったようです。

 ちなみにここまで、誰からもなんの情報もなし。みんななんとなく「一時間遅れってことね〜」と勝手に解釈して進んでいったようでした。

 日本でこんな事になったら、校内放送で周知するか緊急職員会議でも開いて情報伝達が行われると思うのですが(いやそもそも遅れませんが)、ここではなんの共有もなしに「なんとなく」で回ってしまう。

 これはこれですごいことだな、と感心してしまいました。柔軟性極まれり。

  アフリカンタイム2

 開始が1時間遅れ、全体の予定が一時間後ろ倒しになったというだけでなく、各テストの開始もアフリカンでした。

 日本での定期テストは予鈴で着席してテスト配布、本鈴から終了のチャイムまできっかり1時間で行われます。しかし、ここはアフリカ。こんなにきっちりとした時間は流れていません。

 いつもどおり売店に殺到する生徒たち。開始の合図を聞いて、教室に戻り始めます。(もうこの時点で僕は「え、開始じゃないの?今から戻って大丈夫なの!?と気が気ではありませんでした…)

開始の合図後の売店
 
でも、まだ欲しいものが変えていない子は粘り強く売店で買い物。買ったものを食べながら、嬉しそうにゆっくりと教室に戻っていきます。

 5分くらいして教室から出てくる子も。「どうしたの?」と聞くと、「トイレ」と…日本だったら休み時間に行きなさい!と怒るところですが、その子達(←一人だけではないのです)は悪びれる様子もなく歩いてトイレへと向かいます。

 テスト中も、何も言わずに席を立ってトイレへと向かう子どもたち。誰かが立ったのを見て一緒に行こうとする生徒もいます。当然教室から出た瞬間からおしゃべり開始。これで本当に”テスト”になるのか!?

 先生方も5−10分してようやく動き出す感じ。しかもテストを配るのは教科担当の先生。全教室を回って配るので、時間はどんどん過ぎていきます。最初に配ったクラスと最後のクラス、10分は差があるんじゃないかな?

  教室はぎゅうぎゅう詰め

 普段から1つの机に3−4人が詰めて座って授業を受けています。テストだからといってそれが大きく変わることもなく(それでも2−3人には減っていました)、ぎゅうぎゅう詰め状態でテストを受けます。

テスト中の教室はこんな感じ。

 一応、机同士の間隔はいつもより広げられていました。それでも元から広くはない教室。カンニングしようと思えば簡単にできてしまいます。

 距離が近いからなのか、後で書くとおり先生がいない時間が長いからなのか、テスト中も生徒のおしゃべりはなかなか止みません。

 何度も注意して(何回か怒鳴って)、睨みつけ続けてようやく静かになる。でも別の教室から話し声が聞こえるからそっちに行くと、空いた教室ではまたおしゃべりが始まる…

 こんな感じでしかも2時間なので、ちゃんと監督をしようと思ったら、日本の数倍疲れました…

  独自のカンニング対策

 教室の環境は変えられません。そもそも少ない教室にたくさんの子供達が詰め込まれているのですから。変えられないものを嘆いていてもしょうがない。

 そこでなんと!すばらしい工夫がなされていました。この環境だからこそのカンニング対策。それは…

 同じ机に座っている生徒は、別の学年!そして実施するテストは別の教科!

 こんなこと、思いつきもしませんでした。確かにこの机に3人座らないっといけないのなら、カンニング防止にはこの方法がベストです。隣を見ても、別の教科をやっているならカンニングしようがありません。

 通りで5年生の教室に行っても、見たことない顔がいっぱいいるわけだ。

  でも、先生は…

 カンニング防止の素晴らしい工夫に感動したのですが、カンニングを防ぐために一番大切なのは、やっぱり大人の目。でもその先生たちはというと…

 なぜか教室を出ていってしまう先生が多数… 結果、教室に大人の目はなし。これではいくら工夫しても、カンニングし放題です。隣の上級生に答えを教えてもらう生徒、前に座る同級生と答えを確認する生徒などなど…

 テストを配った教科の先生は各教室を少しずつ見て回り、他の先生が監督に入っているようなのですが、それもしっかりとは決まっていないようで…

 「監督の先生って決まってないの?」と現地の先生に聞いてみたところ、「特に決まってないよ!開いてる教室を見つけたら入るって感じかな。だから君も監督したかったら行っていいよ!」との返事が。

 そりゃ大人もいなくなるわけだ。これだけは日本のシステムをそのまま持ってくるべきでは?と思いました。今のままでは、カンニングし放題でテストの意味がなくなってしまうのではないかな?

  ”丸”付けに苦戦

 日本で何度もやってきた丸付け。余裕でサクサク終わると思っていたら、とんでもなく大変でした。なぜなら…

 正解につけるのが”丸”じゃないから!こちらでは✓が正解につけるマークです。
これが正しいのに…
ついやってしまいます

長年”丸”をつけてきたので、つい…10回に一回くらいは”丸”をつけちゃった気がします…

 今回のテストの配点は、一問につき2✓(2点)ということのようで、「答えがあっていれば✓2つ、答えが間違っていても式があっていれば✓1つをつけてね」と指示されました。最後は✓の数を数えて、表紙に書き込みます。

こんな感じで、2つずつ✓をつけます

 でも途中式を書かない生徒や、そもそも途中式なんてないだろう、という問題もちらほら(時計の読み取りとか)。

 なぜか途中式が間違っているのに答えはあっている、という解答も。これは✓2つあげてしまっていいのだろうか…と迷いましたが、結局あげてしまいました…

 自分で作ったのではないテストを採点するのは難しいです…

  びっくり解答集

 「びっくり解答」なんて茶化して言ってしまっていいのかと思うくらい、学力への不安も感じましたが、驚いた解答をいくつかご紹介します。

・時計の読み取り:8時4分ならいい方で、11時(8と4を足したけど計算ミスった?)とか、84o'clock(4日後の12時ってこと?)とか、様々な解答が。時間を守らないのは、時計が読めないからなのかも?

・角度問題:180−48+142°ならいい方で、何を思ったのか4780°という解答が。一番印象的だったのは「glass」という解答。どこから出てきたんだろう…

などなど、たくさんのびっくり解答が。少しでも学力向上に繋げられるよう、これからも頑張って活動していきたいと思います。

※写真を載せた生徒には使用許可を取ってあります。


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