初めて鶏を生きたまま買い、絞めて、捌いて、食べました。一羽、たったの20000シリング。650円くらいでしょうか。


食べ終わってから書いているのですが、まだ生きていた時の姿が目に浮かびます。enkoko。この手で殺してしまったenkoko。かわいそうなenkoko。


まだ、命を奪った時の鉈の感触が手に残っています。最後の鳴き声が耳に残っています。羽をむしったり捌いたりする時の生物臭さが鼻に残っています。


車に乗せてドミトリーまで運ぶ間から、悲しい気持ちがあふれ出してきました。これからこいつを殺すのだと思うと、やりきれない気持ちになりました。首を落とす瞬間も、解体しているときも、食べる時ですら、つらい気持ちはぬぐい切れませんでした。本当です。

さっきまで生きていたのに。買う前はあんなに元気だったのに。買って車に乗せた瞬間からおとなしくなる。自分がもうすぐ殺されるのだということが、わかっていたのかもしれません。命が少しずつ小さくなっていくように感じました。触れば暖かいし、持ち上げれば重い。確かに生きていたのに、それが食べ物になるなんて。

でも、こうしないと食べられないんですよね。当たり前だけど。東京のスーパーで、きれいに切り分けられた「鶏肉」しか見ていなかった僕には、焼き鳥屋でビールのお供に焼き鳥をつまんでいた僕には、この辛さはわかりませんでした。かわいそう。でも食べるためには殺さないといけない。この辛さ、悲しさを、知れてよかったと思います。


せめて残さず、おいしくいただいてあげないといけないと思います。好き嫌いとか、残すとか、そんなことしてはいけません。奪った命に失礼です。命を奪って、つらい思いをしながら生き物を「肉」にしてくれた人にも失礼です。「肉」を「料理」にしてくれた人にも失礼です。


「いただきます」という言葉の意味を心から理解できた、本当に大切な経験でした。

~作業の記録~
1.羽をクロスさせる「羽交い絞め」にする→おとなしくなる
2.目を隠して、頸動脈に鉈を振り下ろして首を断つ。まっすぐ振り下ろすこと、少し引くこと。
3.足をもって逆さづりにし、血を抜く。
4.血がたれなくなってきたら熱いお湯につけ、羽を抜く。プチプチと抜ける。翼の羽は大きくて抜けづらいので、力づくで抜く。
5.ひざから下を落とした後、腿の付け根を断つ。もも肉がとれる。
6.肩甲骨のあたりから包丁を入れて筋を断つ。引きはがすと手羽がとれる。
7.肋骨の中に指を入れ、内臓をむしり取る。色々出てくる。
8.肋骨の外側にあるむね肉、ササミをとる。
9.外した内臓や肋骨の奥深くには、ハツや砂肝、レバーなどがある。
10.解体したら、洗って炙って産毛をとり、肉として料理する。

美味しくいただきました!


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