昨日、

来客有りナッツ缶手土産入る紙袋(京都・六角・蕪村庵)に記された俳句が気になる。

お昼時、味処・三富でアナゴ天婦羅ランチ+刺身セットをご馳走になった後調べると、

なるほど、です。

 

きのふ花 翌(あす)をもみじや けふの月

 

 

参照

本を「過客」として読む方法をあれこれ紹介してみたのだ。そのとき蕪村の「ふたもとの梅の遅速を愛すかな」と「梅をちこち南すべく北すべく」をあげ、ここには2冊の本を同時に読んでいる蕪村がいるんだという例を出した。
 いわば蕪村の「前後時間差攻撃」あるいは「異方同時攻撃」である。一句の中に時の相違や時間の変遷や二つの時刻にまたがる現象の比較を詠むという方法。これは読書の奥義にもつながる。そういう話をした。
 典型的な句を3句あげておく。「青墓は昼通りけり秋の旅」「名月やけさ見た人に行きちがひ」「きのふ花翌(あす)をもみじやけふの月」。最後の句など、高速である。「きのふ花」と「あすをもみじ」と「けふの月」の“三世実有”が、たった五七五の十七文字に入っている。
 読書というものは、このように「一冊の菜の花」に前後を感じ、四方を動かすことなのである。そして「過客」としての高速運転に入ることなのだ。蕪村、もっと知られるべきてある。

参照終わり