多くの人がお金を稼ぐことに人生を費やしている。
まるでお金を稼ぐことが人生の中心であるかのような世界が、私たちの前に広がっている。
「夢は何か」
と聞くと、職業を答える若い人も多い。
前回、私は家族の幸福、夫婦の幸福、働く幸福。
人生にはこの3つの幸福があると述べた。
この3つが人生の幸福の本質である。
この全ての幸福において、お金は薬であり毒である。
これを解説していく。
第一の家族の幸福について。
まず家族仲良く暮らすには、金銭に不自由ないことが大切である。
金銭が足りないとたくさん働かなければならなくなり、心の余裕がなくなる
ちょっとのことで怒りっぽくなり、家族が争うようになる。
金銭があれば時間の余裕があり、家族との時間を大切にできる。
お互いに高価なプレゼントを送りあったり。
ちょっと贅沢な食事を家族で分け合ったり。
旅行に行って思い出をたくさん作ったり。
家族の幸福な時間を過ごすことができる。
だから金銭は家族の幸福において薬である。
だが心が貧しいとお金は毒になる。
ある兄弟が遺産相続をきっかけに縁を切ることになった。
元々、親から兄が贔屓されていて、弟は分与の内容に不満があった。
このことをきっかけに血を分けた兄弟が互いの敵となり、相手を困らせることばかり考えるようになったという。
この兄弟はお金が原因で人生の幸福の一つを失った。
前者が金の主人で、後者が金の僕(しもべ)の人である。
お金を便利な道具として簡単に貸し借りして、返ってこなくても笑える人が金の主人である。
金は僕(しもべ)のところから離れていきたがるが、良い主人のところには戻ってくる。