性には大きな役割がある。

一つは子をなすこと。

もう一つは愛の喜びを得ることである。


子をなすのは動物らしい本能に則っているが、子を愛する気持ちや性交後にパートナーを愛おしく感じる気持ちは人として嬉しいものだ。


愛の喜びこそ、人の喜びの究極ではないかと思える。

そこに性の役割が欠かせない。


ある宗教では性交を禁じて、童貞を守らせる戒律がある。

しかし一生童貞のままだったり、処女のままで、真の愛を知り得るのかと疑問を感じる。


参考に我が両親は童貞と処女の結婚だった。

お互いに伴侶以外の異性と性経験がないのだという。

特に宗教の戒律があったわけでもないのに、たまたまそうだったのだという。


このような夫婦は特別に仲がいいかといえばそうではない。

だが最後の最後で縁が切れない。

これも性愛の力ではないだろうか。


その子供である私は3度の結婚を経験したが、どうしても浮気ができなかった。

今でも異性と簡単に肉体を重ねることに根が深い抵抗がある。

両親のおかげで異性を軽く見ない人に育ったのだと思う。


だから性欲を禁じる必要はないが、結婚に備えて性的好奇心を抑え、純潔を守ることは良いことだと述べておく。


性愛から得る感性や経験は人をレベルアップさせてくれる。

異性に対する欲求が単なる性欲だけだったなら、人は獣から脱することはできない。