痛みと快楽を同じ神経で受け取っているのが、人の神経回路である。


これを理由に、一つの弊害が生じている。

それは「より強い刺激を求めることが快楽と感じるようになる」点である。


音楽をヘッドホンから漏れるくらいの大音量で聴かないと気が済まない人がいる。

味が濃くないと食べた気がしないと言って、何にでも醤油をかけてしまう人がいる。

同じように辛いものを好んで食べる人もいる。辛さとは舌が感じる痛みだという。


このように本来なら苦痛に感じることを、自ら進んで行うようになる。

神経回路の構造上、苦痛と快楽がごちゃ混ぜになってしまうのだ。

脳細胞が死滅するほどの強い刺激を、脳が求めてしまう。


タバコやアルコールも同じで、脳細胞や体細胞が死ぬことを気持ちよく感じる。

ヘビースモーカーやアルコール依存症。

もうオーバードースで体が悲鳴をあげているのに、やめられない。

何かが狂ってしまっているとしか言いようがないが、そうなってしまう。


そして細胞の死滅は体に硬直を起こし、死を近づける。

また脳細胞の死は高齢になったときに、若年性の認知症として顕在化する。


なんとも恐ろしいことだ。